『「「島だーー!!」」』
クルー達の嬉しそうな声とともにドタバタと騒がしい足音が船内に響く。
「(……ああ、島に着いたのか。)」
書類を書くのを止め、甲板へ出て島を見てみると、中々大きい島なのが分かる。
「お、キイチ。そろそろ島に着くってよ」
「あぁ」
「姉さーんっvV俺と一緒にデー「キイチー!!一緒に買い物行こうぜ!!」ちょっエース隊長、邪魔しないで下さいよ!!今俺は姉さんを如何にしてホテルに連れ込むかを考えてる所なんですから!!」
「セツ、間違ってもそーゆーのは俺本人に聞かれたらいけないんじゃないのか?」
「俺のキイチとホテル!?駄目だ!!キイチの初めては俺がもらうって決めてんだよ!!」
「俺はいつエースのになったんだ。というか大声で何言ってんだお前は」
何だか面倒臭くなりそうなので、俺は言い合ってる二人を置いて一人で船を降りた。
≡≡≡≡≡≡
「ん、中々いい島だな」
些か大きめの紙袋を持ち直し、改めて街を見回した。
この島は春島なので気候も丁度良いし、街も人も明るいし、服も俺好みのがあった。
「あとまだ買う物は……」
――ドンッ
「わあぁっ」
「ああ、済まな……」
「「あ」」
≡≡≡≡≡≡
「いやー、お久しぶりですキイチさん」
「たしぎもな」
先程ぶつかってしまったのはたしぎ。何故、海軍であるたしぎと海賊の俺が仲が良いのかというと、以前武器屋で俺が刀を探している時に偶然出会い、話をしているうちに意気投合したからである。それからは、こうしてまた会った時に刀の話をしたりしている。
「私がこの前行った島では結構良い刀が揃ってましたよ」
「ああ、俺も以前行った島では中々の上物を見つけた」
「キイチさんまだ刀を集めるんですか!?そろそろ50本を超えるんじゃ……」
「いや、まだ56本だ」
「ええっもう56本ですか!!?」
「流石に俺の部屋に刀を置く場所が無くなりそうだがな」
そう言って俺は笑う。この前整理をしてたら、刀で潰されそうになったのを思い出した。……いくらロギア系とはいえ、あれはちょっと焦った。
「でも、やっぱり持ち歩くのはいつものなんですね」
「あぁ、こいつらが一番しっくりくるんだ」
「妖刀『阿修羅』、同じく妖刀『阿形』『吽形』。………………あと木刀」
「おい何だその間は。木刀馬鹿にすんなよ」
「木刀はともかく、『阿修羅』や二刀一対の『阿形』『吽形』は相当珍しいですよね…」
「無視かおい」
「それ程の刀を持っているのに、これ以上集めてどうするんですか?」
「そんなの俺の勝手だろ。……それと、こいつらは三刀一対って話を聞いてな。一緒に持ち歩いた方が良いと思ったんだ」
「三刀、一対……!?」
「ふふ、まぁ風の噂だがな。実際、3本一緒に使った事はまだ無いから分からん。"海賊狩りのゾロ"じゃあるまいし、俺には精々2本が限界なんだよ」
「成程…………っあっつう!!」
「おい、俺の方に飛ばすなよ」
こいつ、まだドジなのは治ってないんだな……
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