突発部屋 | ナノ
「ひのもと………?」

眉間に物凄い皺が寄るのが分かった。


異世界?なにそれ美味しいの?


子供に話を聞いた。それまでは良かった。いや、ある意味聞かない方が良かったのかもしれない。日の本?戦国?戦?意味が分からん。白ひげ海賊団はどこへ行った、モビーディック号は、オヤジは、エースは、サッチは、マルコは、セツは、ゼキは。

「(あ゙ー…)」

心中穏やかじゃないのは確かだ。しかし、子供に当たるわけにもいかない。…あぁ、そうそう、子供の名前は"弥三郎"というらしい。(ちなみに男だ。見た目は可愛いが。)珍しい名前だと思ったが、俺の名前も相当珍しいと言われた。まぁ、異国文化(?)ってやつか。ワノ国みたいな服着てるし、イゾウならここについて何か分かったかもしれないな。つきり、鈍く痛んだ蟀谷に指を当てた。

「…だいじょうぶ?」
「ん?…あぁ、大丈夫だ」

だからそんな不安そうな目で見上げてくるな。留守番を頼んだときのエースを思い出すから。そんな感じで、一瞬でもエースに見えてしまったからか、無意識のうちに弥三郎の頭を撫でていた。……おい、何で顔を赤らめているんだ。そして何故手を握ってくるんだ。
というか弥三郎、お前俺に懐くの早くないか。自分で話を聞かせろって言っておいてなんだが、ちょっと危機感が足りてないと思うぞ。もし俺が人攫いだったらどうするんだ。危ないだろ。

「キ、キイチはこのあとどうするの…?」

このあと。つまりは弥三郎と別れた後。

「……さぁ、な。家族も家も、ここにはないから」

…どうすることもできないだろうな。話を聞く限り金も違うようだし、飯も宿も無理。ならばどうするのか。考えるだけでも面倒だ。

「暫くは野宿して――」
「だめっ!」
「……は?」
「キイチみたいなきれいなひとが、こんなとこでのじゅくなんてしてたら、ひとさらいにつかまっちゃう!」
「あぁ、その点においては大丈夫だ。むしろ俺を捕まえようとしたことを後悔させて二度とそんなことをしようという気にならないほどに痛めつけて男のアレを使い物にならないよう踏み潰すくらいはできるから」
「こわい!」

笑顔で言ったら涙目で怯えられた。…俺、間違ったこと言ったか?確かにサッチに同じこと言ったら青褪めた顔で股間を押さえてたが。男ってのはそんなにアレが大事なのか。まぁ、一度エースのアレを全力で蹴り上げたら泡吹いてぶっ倒れたことがあったし、相当痛かったんだろうな。(後日、エースは「俺、もう男として生きていけないかもしれない…」と部下に溢している姿があったとか。)

「で、でもっ、やっぱりのじゅくはあぶないよ」
「だが、金もないし宿をとろうにも…」
「っ、ぼくのうちにおいでよ!」
「………は?」

弥三郎、そろそろ俺はお前の危機感について本気で心配になってきた。人でなしよりは良いが、御人好し過ぎると後々泣く目に遭うのはお前だぞ。


▼弥三郎かわいいよhshs←
話が進まな過ぎて泣ける。

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