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零崎が甘味を食べ始めて何分かたった頃、何か甘いものが食べたくなった。
いつもならうんざりして見るのも嫌になるんだけどなぁ…珍しい事もあるもんだね。
まぁ、人生に何度かあるよね。突然甘いものが食べたくなるみたいなの
「零崎、それ一口ちょうだい」
「む?もめま?」
「そうソレソレ」
もごもごと手と口を休めない零崎。
「…珍しいなーいーたんがこういうの自主的に欲しがるなんてよ」
「たまにあるんだよ。そういうの」
「あ、分かる分かる」
「お前の場合は何時もだろ」
「うんや、たまに呼吸したくなる。無性に」
「……僕の関係のない所でやってね」
「善処します」
うっわ、殴りてぇ
答えは全ていいえ、です。とでも言ってるつもりかこのチビは、
「ていうかお前、その台詞の元って…」
「いーたんが想像してるのであってると思うぜ?凄い量の漫画だよな」
「このっ」
「ほらよ」
ピッキングで勝手に入って漫画の山の中から勝手に読みやがった零崎を思いっきりぶん殴ろうと思ったのに振り上げようとした腕は零崎が突き出したスプーンで行き場を失った。
ぼくが殴りかかって来ない事を良い事にゆっくりと時間をかけて零崎の刺青が歪められた。
果てしなくうざい。殴りたい。でも、甘味に罪はないんだ。甘味には
「ほら、欲しいんだろ?甘味。やるよ。ご希望通りな」
「どうもありがとう甘味に罪はない甘味にはとっても嬉しいよ」
「台詞がなんか可笑しいぜ。いーたん」
「気のせいじゃない」
「ほれ、あーん。かっこ笑い」
「だが断る」
「だが断る」
「断る返しするな」
「それも断る」
「じゃぁぼくも断る」
「じゃぁ今ここで俺にあーんされるか、近所で俺が呼吸するか、俺にちゅーするか択べ」
「四つ目の何も行わないという選択肢はないのk」
「お約束だがない。」
「とりあえず近所で呼吸するのは止めてくれ。かなり面倒くさい。」
「じゃぁあーんかちゅーだ」
「お前ソレ言ってて恥ずかしくないのか?」
「男ってのは自分の欲望に正直な生き物だと兄貴から聞いたモンでな」
真顔で答えやがった…
誰だよこいつをこんな風に育てたの…
………………ぁ、こいつになるのに環境は関係なかったんだった
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