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「あの生徒会長どう思う?」
「あ?」
「いやね。あのハチャメチャ会長を風紀委員、まして、冥利くんは委員長でしょ?どう思ってるのかなーってふと疑問に思ってね。でも、答えたくなかったら別に良いよ。軽い疑問だし」
そうなんだよね。聞いてみたはいいんだけど、そこまで興味があるわけじゃないんだよね。
冥利くんは何だこいつ的な微妙な顔をしながら口を開いた。
「聞きてぇのかどうでもいいのかハッキリしろよ」
「できれば聞いてみたいね。」
「ふぅん?」
「なんだい?」
「お前こそ、あの化け物会長に興味あるんだな。」
「そうでもないさ」
「ふぅん。ま、いいけどよ」
お、どうやら話してくれるそうだ。
「俺とあの会長は良く似てると思うぜ。化物同士で怪物同士だ」
「へぇ、ぼくはてっきり気に食わないとかいうと思ってたんだけど、」
「まぁな。でも、実際似ちまってるんだからどうしようもねぇよ。あの会長が入学してきたときから思っちゃいたんだ。まるで鏡のようだってな」
「へぇ、冥利くんの鏡か」
いわれてみればそうかもしれない。
ぼくは冥利くんのことを少ししか知らないしあの生徒会長のことも少ししか知らない。だけど、少しの部分がとても似ている。だけど、根本的な考えとしては背反しているのだろう。ぼくと零崎のように。
まぁ、深く知る必要もないと思うけどね。
「伊井にもいるだろ、鏡」
「えっ」
「俺はあの生徒会長だけどよ、伊井にもいるだろ。まぁ、お前が知っているかはしらねぇけど。ってぇ、トラブルが服を着て歩いているような奴が知らないわけねーか」
「えっ、えっと、」
もしかして、零崎の奴善吉君だけじゃなくて冥利くんとも接触済みなのか!?
あのチビめ。なんて手が早いんだろう。
「あの刺青野郎だよ。分かってんだろ?校則違反者としてブラックリスト入りしてるよ」
「あぁ、そっちか」
「あ?」
なんだ。風紀委員に眼を付けられてる系か。なんか安心した。
まぁ、あいつが風紀委員にボコられようとぼくには関係ないし。冥利くんと戦うことになるとしたら、ううん。そうだな。その時考えよう。
「その刺青野郎、風紀委員のブラックリストに入ってるんだ。」
「あぁ、近いうちに風紀が闇討ちに行くぜ。友達なら逃げろとでもいってやったらどうだ?」
「まさか。あんなお洒落頑張リストな刺青入れてるチビが友達な訳ないじゃないか。あぁ、でも冥利くん。あの刺青野郎を闇討ちするのはあまりお勧めできないね。」
「何でだよ。ちゃんと病院送りくらいにしとくから問題ねぇと思うぜ。それともやっぱり自分の鏡が心配か?」
「いやいや、心配なんてこの学校ではしたこともないさ。勿論今もね。それに冥利くんは自分の鏡であるあの生徒会長が闇討ちされると聞いたら心配するかい?
それに心配するとしたら風紀委員の方だね。巧く逃げられるか、それか・・・」
どこまでいってもアイツは零崎なのだから。
哀川さんが相手なら兎も角、この学校の生徒に負けるとは、いや、負けたとしても倒されはしないだろう。殺されるなんてもっとない。
「まぁ、冥利くんがどれだけ強いだなんて知らないし。あの刺青野郎生徒会長が苦手みたいだったから分からないけどね。」
「ッハ、そこまで言っておいて情がないなんて言わせねぇぞ」
「情なんてないさ。こんなに喋ってしまってからでなんだけどぼくの言葉なんてどこまでいったって戯言なんだよ。独り言だと思ってくれてもいい。」
「でっけぇ独り言だな」
「そうだね。」
「仕方ない。伊井がそこまで言うんだからお前の鏡はたいした奴なんだな。俺の仕事が終わったら直々に病院送りにする事にするか」
「頑張ってね」
「おう」
ぼくは最後のクリスプのかけらを口の中に入れ。同時期、冥利くんも最後のポテトを複数つかみ口の中に放り入れた。
ごめん。零崎、なんかまた君の知らないところでボコられることが決定したみたいだ。
ま、いっか。
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