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言えばスマイル0円をちゃんとくれるマクドナルドにてぼくは冥利くんといた。
今日は平日ではないので平日のセットが使えないのが悔しいが、まぁ、クーポンのポテトで腹を膨らませる魂胆でいくつもりだ。でもやっぱりポテトだけだと淋しいので100円マックでいっか。




「544番とクリスプ2つで」


「俺はビックマックとビックチキンと544番な」


「「え、?」」




おおっとぉ、ついつい店員さんとハモってしまったじゃないか。
つかどんなけ食べるんだろうかこの子は。育ち盛りは皆こうなのかな?いやいやいや、育ち盛りにしてはまだ年齢が達してないよな?それともぼくが可笑しいのだろうか。




「冥利くん全部食べるの?量多すぎない?」


「普通だぞ」




いやいやいや。そりゃねーだろ。
多分今ぼく店員さんと心の中がシンクロしてるって。
変なBOXの生徒は食欲も変なのだろうか。だなんて考えながら自分の分のお金を払い。空いてる2人用の席へと移動した。
暫くするとその小さな体にそぐわない大きなバーガーとポテトを乗せたトレイを持った冥利くんがぼくの正面の席に座った。




「取り敢えず、食べますか」


「そだな」




腹が減っては戦はできぬとも言うし腹が減っては話もできないのでまずはお食事タイムとなった。うん。たまに食べるポテトうまい。




「で。」


「ん?」




食べ始めて何分かたった頃、ぼくのポテトが半分くらいに減りクリスプが一個食べ終わり、冥利くんのビックマックとポテトの半分がなくなった頃、冥利くんが口を開いた。




「だから、言ってただろ。お前、なんかやりたいことあったってよ」


「あぁ」




そういえば。忘れてた。
ポテトうめぇって思ってたら忘れてたよ。危ない危ない。




「てめぇ、忘れてやがったな」


「そんなことないよ。ただひたすらポテトうめぇって思い続けてただけなんだよ。それで、そのやりたいことってのはちょいとした練習さ」


「練習だぁ?」


「そう、練習。頼まれごとをされてね。まぁ演劇の練習さ。セリフ覚えるだけなんだけどね、」


「なら、家でやりゃよかったんじゃねーの?」


「気分だよ」


「ふーん」




興味をなくしたようにポテトを摘まむ冥利くん。ま、そもそも冥利くんが興味を持つような内容じゃないしね。
食べかけのクリスプを食べながら台本のページを適当に捲る。




「あ、そういえばさ」


「あ?」


「冥利くんって風紀委員長なんでしょ?」


「おうよ。風紀委員長サマだぜ。それがどうした」




ビックチキンからぼくへと視線を移した冥利くんに思いつきの疑問をぶつけてみた。
本当に思いつきなんだけどね






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