私が目覚めた部屋はこの王墓の最奥だったみたいだ。
ズルズルと言葉通りに引き摺られ、すぐにバクラ君の足は止まった。
それからすぐにこちらへと向かう複数の足音が耳に届いた。
「ククク…待ってたぜ」
「バクラ君!?」
「おっと、吼える前に久しぶりに会うお仲間に挨拶でもしろよ」
「皆ぁ!」
そう言うと、バクラ君は私を前に引き出して足元に転がした。本当に酷いよバクラ君っ。
「紫乃ちゃんっ」
「紫乃!?お前、どこ行ってたんだよ!てか何でこんなとこにいんだよ」
本当に何て言えばいいのか。
遊戯君達に矢継ぎ早に問われて、「いや、ちょっと…」と言い淀んでいると、バクラ君が私の頭に手を置いた。
「そう責めなさんなって。こいつは今さっき死を再体験したばかりなんだぜ」
「死…?」
どう言う事と…?と一気に遊戯君達の表情が困惑が浮かぶ。
「バクラ君。今はそれ言わなくていいよ」
確かに過去の私は死んでしまった。だけど、今遊戯君達に知らせる必要はない。言わないでと、バクラ君を見上げた。
「…ファラオの名前を探しに来たんだろう。どうやらそいつはこの奥にあるらしいぜ…千年リングに宿る盗賊の魂がそう言っている」
バクラ君は私を見て、それから首に下がっている千年リングに視線を移し言う。
「だが、名前を知られるのはかなり厄介でな…貴様等はここまでだ」
「!」
「先に進みたいのなら…俺を倒して、こいつを助けてから行くしかないぜ」
足元の私を足蹴にバクラ君は構えると腕から何とデュエルディスクが生えた。
「ぐへぇ!あ、あのさ、バクラ君。私今受身取れないからそういうのはやめ「この世界でのライフポイントは4000」
無視!
私の話を遮り、彼は続ける。
「ライフを失ったら命を落とす…闇のゲーム!」
構える遊戯君の腕にデュエルディスクが現れた。
ゆ、遊戯君まで私を無視!え?今普通に闇の、ゲームて言わなかった?
闇のゲームて…負けた方が消えちゃう命賭けのゲームじゃないか!
「そのとーり」
「遊戯!危険だ!」
「この闘いは絶対に避ける事は出来ない!」
もう一人の僕を助ける為には必ず彼の本当の名前を見つけなければらないんだ!
皆が止めるものの、遊戯君はバクラ君とのデュエルを受けるつもりだ。
「遊戯君…っ危ないよ!」
「大丈夫。僕は絶対にバクラ君に勝って、君を助ける!」
だから待ってて、紫乃ちゃん!
「遊戯、君…」
何かいつもと立場が逆…。
それに、今日の遊戯君かっこいい――
ってときめいている場合じゃねぇえ!「デッキのカードはあらかじめイメージした40枚を具現化する」
「だが互いにシャッフルした後――デッキのカードはランダムに置かれドローするまでは分からない……」
「行くぜ!」
「「デュエル!!」」
END
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