言い出したのは城之内君なのに笑い過ぎだと、私だけが締められた。酷いよ。本田君!
笑いが一通り治まったら、キャラクターのカスタマイズは次のステップに進んだ。
「(種族)を決めたら次はキャラクターの(職業)を選択するんだ」
「俺は絶対、戦士しかねーぜ!」
「魔法の銃を持つ魔銃士てのも悪くねーな!!」
「本田君は妖精じゃないの?」
…ブフッ!!ささやかな仕返しとばかりに言った。
だけど、それでまた"妖精本田"を思い出して…またお腹が痛くなる程おかしくなってしまった。
「鏡野!お前そのネタ引きずんなって!!」
顔を真っ赤にしながら、本田君は怒鳴った。
「ハハ、鏡野、お前サイコー!」
「じ、城之内君!?ギブギブ!!」
隣で大きく笑いながら、城之内君は私の背中をバシバシと叩く。痛い、痛いって!!このままだとHPが…!
「こんなもんかな」
何故だか、私のキャラクターは皆のキャラクターと、比べるて、数値が少し高い様に思えるのは気の所為だろうか…。
出来上がったキャラクターシートを見つめて、首を傾げた。
「キャラクターが決まったぜ!」
全員分のキャラクターシートをまとめて漠良君に渡すと一枚一枚に目を通して、漠良君は頷き掛けた。
「うん。ちゃんとダイスで能力値も決めてある…ね……?」
おいおい、鏡野のキャラだけ、何気に数値高いな…てか、
戦士の城之内よりも力強くねぇか!?城之内の力20だぞ!28ってなんだよ。紫乃
種族:人間
職業:吟遊詩人
武器:ハープ、ギター
装備:シルクローブ
すばやさ:20
知性:22
力強さ:28勇気:21
LV:1
HP:24「…OK。君達のキャラクターの人形を用意しよう!」
まぁ、いい!鏡野!貴様が笑っていられるのも今の内だ!
「キャラクターデータをコンピュータに入力して…これらの数値がモンスターバトルの勝敗に左右するんだ!設定は全て、マスターである僕の役目だ。よし……準備は整った。君達の駒をスタート地点に置いて」
漠良君の指示に従い、スタート地点に皆の駒を置いた。
「いよいよ冒険の始まりだぜー!」
「がんばろーぜ皆!」
「ゲームスタート!!」
「ン?なんだよ…フィールド上の駒は俺達だけ!敵モンスターが一匹もいねーじゃんか!」
城之内君の言う通り。フィールドには冒険者達の駒が並んでいるだけで敵の駒は見当たらない。
不服を漏らす城之内君に漠良君は微笑みながら、説明した。
「このゲームの特徴は敵モンスターがどこに潜んでるかは分からない様になっているんだ」
君達の行動や、運次第でモンスターは出現するよ。
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