「これが冒険盤ゲーム『モンスター・ワールド』のバトルフィールドか!」
「何かワクワクするね」
「僕もさ、遊戯君…」
大きなテーブル一杯に広がるモンスター・ワールドのフィールドを前に遊戯君達はしゃいだ様子だ。
勿論、初めて、このゲームをプレイする私も、非常に楽しみだ。うんうん、と遊戯君達に頷き返した。
不意にフフ…と、怪しい小さな笑いを漏らす漠良君。何だか、様子のおかしい。
彼の顔が物凄く悪人顔に見えたのは気の所為にしておこう。
「さぁ、ゲームを始めよう!」
「おーっしゃあ!」
「じゃあ、まずはこのゲームのルールを説明するよ」
漠良君から、大まかなルールを聞き終えると、B5くらいの用紙を渡された。
ゲームを開始するにはまず、それぞれのオリジナルキャラクターを作り、設定しなければならないらしい。
「ゲームの手始めに皆にはそれぞれのキャラクターを決めてもらわなくっちゃ」
「決まったら、このキャラクターシートにデータを書き込んでね。
この中から一人ずつ(種族)を選ぶんだ。種族によって、能力が様々なんだんよ」
「どれにするかなー」
「本田!お前、妖精なんていいんじゃねぇの!」
「何で俺が妖精やねん!」
「ブッ!!」
手渡されたキャラクターシートにどの種族を選ぼうか迷っていると、隣の城之内君が私同様に種族を選びかねている本田君に妖精の種族を勧めた。
その話が聞こえてしまって、噴出してしまった。一瞬、本田君の顔で妖精を想像してしまったからだ!
「鏡野まで何笑ってんだよっ」
「だって、本田君が妖精だ、だったら……笑える…く、ブフッ!」
角刈りの妖精なんて、絶滅危惧種級だ。国宝だ。あぁ、第二波が……!!
お腹を抱えて更に爆発しそうな笑いを必死に堪えていると、城之内君が悪乗りしてきた。
「その通りだ鏡野!絶対、笑えるぜ」
「お前等〜!」
痛い!本田君!角刈りがさ、刺さる!!
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