Black valkria




-次の日-
獏良君は学校を休んだ。昨日はあんなに元気そうだったのに。
誰も座っていない席を見てぽつり、呟いた。今日は皆を交えて、遊びに誘おうと思ってたのに。


「どうしたんだろう……あ」


昨日の漠良君とのゲームを思い出すと、何故か、急に刈田の事まで思い出してしまった。
そう言えば刈田に髪を五部に刈って来いって、言われたんだ!忘れてた!!うわあああぁああ!どうしようどうしよう。
このままじゃ、刈田直々にバリカンで髪刈られる!?「俺とお揃いのヘアーだ!喜べ」とか。


あんな奇妙な髪型は嫌だぁぁぁああああああ!!!


「鏡野?……鏡野?」


「! え、あ…何かな、城之内君」


髪を押さえ、うずくまっていると、城之内君が私の肩を叩いていた。あれ、城之内君いつの間に私の背後に。


「お前、話聞いてたか」


そう聞かれて、え、何の事?と私は聞き返す。全く聞いてなかった。


「ごめん、ついうっかり」


「お前なー」


髪の毛の危機につい気を取られてて。
内容は今日放課後に皆で獏良君の家に行き、落ち込んでいるだろう獏良君を励まそうと、言う。





「俺達が獏良とゲームをして、あの事件がただの偶然だったって事を証明するんだよ!」


「先生に獏良君の住所聞いて、放課後行きましょう」


「あ、獏良君の家なら、知ってるよ。お隣同士なんだ」


「お!凄い偶然だな。じゃあ、鏡野。放課後、案内してくれよ」










「ここが獏良と鏡野が住んでるマンションか!」


いい所に住んでんなーと、羨む様に呟く城之内君。…まぁ、私はただの居候の身なんだけど!


「皆、分かってんな!獏良の奴、家で落ち込んでるに違いないぜ!獏良は俺達の友達さ!」


これから、獏良とゲームで遊びまくってあの事件が、ただの偶然だって事を証明するぜ!


「ところで体育の刈田も意識不明で入院してんだとよ!ま、偶然だろーけど!」


「え、」


刈田が…意識不明?嘘だろう。昨日は殺しても、死ななそうなくらい元気だったのになぁ…。





「あんな馬鹿教師どうでもいいぜ!」


日頃から、絡まれている城之内君と本田君はざまあみろ!と言った。
そうだね、まぁいいか!どうせ、刈田だし、と私も綺麗に流した。





「紫乃ちゃん、来る途中で何買ってきたの?」


遊戯君が私の持っている紙袋に興味津々と言う表情で尋ねてきた。
ここに来る途中、お店に寄ってもらって、これを買ってきたのだ。


「シュークリームだよ。獏良君、シュークリームが大好きなんだって」


獏良君はシュークリームを食べると、機嫌が良くなってゲームして、遊んでくれるんだ。


「へぇ…」


一瞬だけ、遊戯君の目が光った様に見えたのは気の所為かな。


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