新しい入居者


眠い。


夜に仕事をしている私に太陽は眩しすぎる。


「…妖館の結界がざわついている。」


そういえば新しい入居者が来るとか言っていたような気がする。


「あいさつでもしておきますか。」


フードをかぶると降り注ぐ日差しの中を急いだ












「妖館って知ってる?あそこに新しい入居者ですって。」


「SS付きのセレブマンション?」



騒がしいと思ったら、暇の主婦達だな。


今入るのも目立っちゃうし様子を見るか



「え、あそこって変人ばかりの屋形じゃないの?」



失礼だな


「うそ、おばけ屋敷って聞いたけど?」


もっと失礼だな!


「ほら、あの子よ。引っ越し屋さんが言うにはどこかのお嬢様ですって。」



お嬢様、ねぇ。


主婦が指差す方を見れば小柄な少女


あれが例の入居者か。

意外といい子そう…


「はっ、暇な主婦に注目されて嬉しいか?井戸端会議の議題になるのはごめんだ、さっさと仕事を、してもらおうか。」




前言撤回。



「ふん、新しい入居者は礼儀知らずのお嬢様か。」


彼女は後ろから少女に向かって言った。


「なっ!君は誰だ!」


「ほら。」


手に持っていたビニール袋を差し出す。


中身をみると少女は


「生憎、僕の喉は潤っている。いらないお節介だな。」


「誰がアンタにって言った?引っ越し業者に渡せ、お嬢様だかしらないけどそれぐらい気づけチビ。」


「チビだと?」

顔を真っ赤にした少女を軽くあしらうと妖館の中に入っていった。






初対面の人にチビと言われ若干ヘコんだ凜々蝶。


手伝いにやってきた反ノ塚に八つ当たりをすると疑問に思っていたことを聞いた。


「さっきの奴は誰だ、ここの住人か?」



「さっきの奴?もしかしてアイツかな…」


「フードをかぶっていて顔ほ見えなかったがあんな無礼な男は初めてだ!」


「男?今は俺以外はいないぞ?」


「…じゃあアレは誰だったんだ?」


「んー?」





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