( 運動神経はいかほどか )



設定は校内身体測定。ということで。

「1500m測るから校庭なー」
「次校庭だと。なあ、青柳今の握力いくつだったー?」

クラス委員の呼びかけにクラスメイトと移動を始める青柳。

「60ちょいかな」
「かっけー!」
「握力60ちょい!?」
「あ、赤城さん」
「なんで60ちょい!?お前マジでタバぐうっ」
「なんですか。なにが言いたいんですか」
「くるしっ、このエセ優等生めっ!さぼりはするくせに!」
「なんとでも。で、赤城さんは握力いくつですか?」
「ま、まだ測ってない……っておい!返せよ!」
「へえ、46ですか」
「うるせー!いいだろべつに!」
「べつにいいんじゃないですか。じゃ、俺校庭いくんで」
「その笑顔が腹立つ!」

一方、体育館の端っこでは。

「れーちゃんみてみて!」
「おー、やっけぇなあ」

零原と一ノ瀬がさぼっていた。

「零原ー、つぎお前だぞー」
「あーい」
「一ノ瀬ー、お前のクラスは反復横飛びだぞー」
「れーちゃん!マット運動しよー」
「零原を巻き込むなよー。それはたち幅用のマットだ。踏まれるぞー」
「わーい」
「零原ー、どうにかしろー」
「俺を巻き込まないんじゃないの」

そして足を持って引きずられる一ノ瀬。

「赤城、22m」
「おお、そこそこじゃね!?なあなあ!」
「微妙」
「微妙」
「微妙」
「ひでえ!」

ハンドボール投げで良い感じと思ってクラスメイトを振り返ると友人たちに声をそろえて微妙と言われる赤城。

「なんで!?」
「30はいかないと」
「は!?」

友人の言葉に衝撃を受ける赤城。そして歓声を浴びる零原。

「なんでたち幅をあんなにかっこよく決められるんだ!」
「しかも記録も良すぎる!」
「当然だろ」
「零原様っ、ジャージでも麗しいっ」
「だから当然だろって」
「ああああ」

零原のクラスは零原がなにかをする度にカオスになる。

「一ノ瀬ー!お前真面目にやればすごいんだからちゃんとやれよー!」
「わわわわ、ジェットコースターみたい!」
「ただ引きずってるだけだろーが!」

一ノ瀬はクラスメイトに引きずられて反復横飛びの場所へ連れられてきた。しかし相変わらず意志疎通ができない。

「零原ー、なんとかしてー!」
「はあ?」
「ハーゲンダッツ5個買ってやるから!」
「ゆーき、あとでちゅーしてやっからちゃんとやれー」
「やった!」
「ゆーきのやつやたら舌吸うから禁止してたんだよ」
「へー……」
「ハーゲンはチョコとマカダミアといちごと抹茶と期間限定のミルクティとアップルパイな」
「あれ、それ6個じゃ、」
「な」
「6個……」
「な?」
「はい」

ハーゲンダッツはクラスで割り勘です。

「赤城さん、50m何秒でした」
「しらね」
「俺5秒9でした」
「化け物か」
「零原さんは5秒4だそうです」
「きめえな」
「一ノ瀬さんは10秒2らしいです」
「なんでだよ」
「赤城さんは7秒ですか」
「7秒はきったよ!」
「5秒はきらなかったと」
「悪いか!言っとくけど俺が普通なんだからな!お前らがおかしいんだからな!」
「はいはい。ちなみに一ノ瀬さんが本気で走ると俺より速いですよ」
「ちくしょー!」



* もどる すすむ #

back




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -