( 青空は見上げないとわからない )



「ごろごろごろごろ」
「ごろごろごろごろ」
「ごろごろごろごろごろごろ」
「ごろごろごろごろごろごろ」
「なにやってんのおまえら」
「あ、れーちゃん!」
「ごろごろごろごろごろごろ」
「なんでこいつらおまえの舎弟みたくなってんの」
「しゃてー?よくわかんないけどごろごろ選手権やってた」
「楽しい?」
「あんまり!」
「おい、ごろごろしてた奴らの目が血走ったぞ」
「あは、しらなーい」
「そーかい」

またゆーきがばかな遊びをしていたようだ。屋上でたむろってた奴らを10人ほど集め、全員で一斉に転がってた。意味わからん。ゆーきはほんとに顔だけだよな。あと愛嬌。

「れーちゃん、だっこ」

あぐらをかいて後輩から借りたゲームをやろうとするとゆーきが近寄ってきた。だっこというゆーきに、ん、と両手を広げてやる。わーいと言いながら俺の首に腕を絡ませ向かいあうようにして密着する。実はかなり楽だ。ゆーきの肩に顎をのせ、横から手をまわしゲームができる。はー、あったけ。にしても高2でわーいが許されるのはこいつくらいじゃないか。

「あ、それ食べたい」
「どぞ」
「あーん」

俺の体を挟み後輩がゆーきに餌付けを始める。どうやらゆーきは後輩となら会話ができるらしい。というか後輩がゆーきを無視して要点だけをまとめるので会話ができてるように見える。

「んま!」
「よかったすね」
「れーちゃんも食べなよ!」
「なに」
「抹茶ようかん」

地味だなおい。

「食う」
「食べるんすか!」
「うん」
「れーちゃん地味なの好きだよね」
「それなら、どうぞ」
「あーん」
「え、あ、はい」

あーうめえ。後輩が戻り、ゆーきが抱きついたまま寝始める。時々寝ぼけて首に吸いついてくるから困ったもんだ。俺もきっちりお返しするけど。ゲームのムービー中に頭を撫でてやるとすりすりと寄ってくる。ほんと、変な行動さえなけりゃ完璧だよなあ。

「珍しいな、お前が動揺すんの」
「だってまさか零原さんにあーんするなんて思わないでしょありえねー緊張したー」
「よっぽどだな。敬語忘れるくらいって」
「零原さんと関節ちゅーって、うわあ、やべえ、俺赤城さんじゃねえのに」
「どういう意味だそれ。つか、関節ちゅーって、感化されてんなあ」
「どうしよまじどうしよなあやばくね」
「そろそろ敬語思い出そうか」
「いだっ」



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