「トキ、飲め」

「え」

「聞こえなかったのか」

「い、いえ」


手渡されたのは5cm弱の小瓶。中には透明な液体。


朝、コウキ様を起こしに行くと今日はすんなりと起きてくださった。物足りない気持ちでいると、この小瓶を渡されたのだ。


「どうした」

「あ、ありがとうございます。飲みます」


この小瓶の中身はだいたいわかる。
だが、どのていどのものなのか。

まあ考えたところで飲むしかないんだけど。


「んっ」


甘い。匂いも甘い。
これはやっぱり媚薬だろう。


「飲んだな。じゃあトキ、両方手ぇあげろ」

「え?は、い」


言われた通り万歳の形をとる。するとコウキ様の合図で出てきた男が天井の鎖に両手をつなぐ。


うわ、繋がれるの久しぶり。


「嬉しそうだな、トキ」

「コウキ様……」

「今日も、かわいがってやるよ」


じわっとスカートが濡れた気がした。







「ひっ、くるっ、しいっ、あっ」


あれから2時間、コウキ様は一切触ってこない。


飲んだ媚薬はかなり強烈なもので、あれから数分もしないうちに体が熱くなった。


ガチャガチャと鎖が音をたてる。
足の間を先走りがポタポタと落ちる。


「だし、たいっ、イきた、いっ、ああっ」


こんなにイきたいのにまだ一回もイケていない。


このプレイが始まって早々にコウキ様に尿道にバイブを根元まで入れられてしまったのだ。


「コウキ、様ぁ」


かくかくと腰が動く。
物足りない。
コウキ様のためにつくられたこの体は無意識のうちに後ろをひくつかれてしまう。

「コウキ様、うしろ、いれて、」

コウキ様はそんなのは気にせず手元の雑誌に目を通している。

「コウキ、さまぁ、ね、いれて、いれてくだ、さ、」


「失礼します」


ノックをして入ってきたのは最近入ったメイドだ。どうやらコウキ様に紅茶を運んできたらしい。


「っ、ん」


なんとか喘ぐのをガマンして俯く。
ああ、はやく、はやくコウキ様にぐちゃぐちゃにされたい。


「ちょ、コウキ様っ」


メイドの声に顔をあげると、コウキ様がメイドを膝に乗せていた。


「ここでトキを見ていくか」

「コ、コウキ様っ、んっ」


コウキ様がメイドのスカートに手を入れる。メイドはぎゅっと目をつむって何かに耐えている。その中で何をされてるか、なんて。


「な、で、コウキ、様」


あれ?
いつもは平気なのに。
誰に見られても平気なのに。


「今日、は、かわいがって、くれ、る、って」


手を上げたままなので顔を隠すことができない。頬を濡らしたまま2人をじっと見つめた。


「ト、トキ様……」


それに反応したのはメイドだった。


「コウキ様、トキ様が、」

「ん?……ああ、わかった」


2人を視界に入れたくなくてまた俯く。
コウキ様を煩わせる、下手したら捨てられる、なのに止まらない。


「トキ、顔あげろ。」

「コウキ様……」

「おい」


コウキ様の合図で腕がおろされた。床に座り込む前にコウキ様に抱き留められる。


「ごめ、なさ、コウキ、様、」

「……ああ」

「すぐ、おさまるので、さっきの、子と、」

「あいつは返したよ」

「え、ん、う」


コウキ様がキスをしてくれた。
舌を思いっきり吸われ、そのまま甘噛みされる。


「……今日は、かわいがるって言ったもんな」

「う、ごめ、なさ、」


コウキ様の胸にぎゅっと顔を押し付ける。優しく頭を撫でてくれた。


「よろしく、お願いします」



end





↓雰囲気台無し補足

たまに淫乱じゃないトキをみたいコウキ様。後ろをいじらなければ見れる(らしい)。なにがなんでも後ろをいじってほしいトキは無意識に手段を選ばないが、わかっていてもその色気にあてられちゃうコウキ様。ようするにトキはビッチ。


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