「コウキ様、戻りました」
「遅い」
「んんっ、申し訳、ございませっ、っ」
扉を開け中に入ると目の前にいたメイドさんが消えた。
いや、その場に座り込んだ。
メイドさんはスカートの裾を抑えさっきよりも大きな声を上げてふるえている。
「おいお前、中にはいれ。ああ、それは放っておいていい」
「はあ」
メイドさんの横を通り雇い主の前に立つ。
「なかなか似合うな」
「ありがとうございます」
うれしくねーよ。
「さて、さっそくだが研修に入る」
「え?」
「お前、男とヤったことは?」
「…………?」
「ないのか。わかった。……楽しみだな」
雇い主の目の色が、変わった。
雇い主がなにかボタンを押すと黒いスーツを着た男が3人入ってきた。
するとひとりの男が俺に猿轡をし、ひとりの男が天井から垂れる鎖(これもスイッチで出てきた)に俺の腕を拘束した。
ギリギリと引っ張られ、俺はいまつま先でようやく立っていられる状態だ。
雇い主の横には先ほどの男3人が待機している。
「おい、あれつかえ。丁寧に塗り込んでやれよ」
雇い主がそういうと、ひとりの男が壁に取り付けられていた引き出しからなにかを取り出し俺の後ろへと回った。
なにか粘着質な音がしたかと思うと、男の指があらぬ所に触れた。
「っ、うーっ」
「あばれるな。おい」
その声に今度は足を固定する板を下に敷かれ、繋がれてしまう。俺は情けなくも腰を振って指から逃れるしかなかった。
「それはそれでおもしろいな。おい、トキ」
「ぁ、はいっ、」
「こっちでどんなにそこがイイか教えてやれ」
「っ、は、い」
メイドさんはトキっていうのか。
そんなことを考えていると、メイドさんは雇い主のもとにふらふらの足取りでやってきた。
そして雇い主はメイドさんを抱えあげると片足を跨がせるように座らせた。
少し高めの椅子に座っているのでメイドさんは足がついていない。ていうか、メイドさんヒールだったんだ。
「や、あ」
「おい、これがなんだかわかるか」
雇い主の右手にはまた新しいスイッチ。
俺は素直に首を横にふる。
「ふ、まあみてな」
雇い主はそのスイッチを操作した。
「や、あああ、つよ、やら、やめ、あんっ」
なにが起きたかわからなかった。
突然メイドさんが突然声を上げて悶えだした。
口を抑えようとした腕は傍らの男が両手纏めて拘束してしまった。
「やあっ、コ、キさまぁ、」
腰をくねらせながらメイドさんは雇い主の足に擦り付けている。
「自分でスカートめくってけつあげろ」
「んっ、する、します、からぁ」
拘束の解けた腕でスカートを持ち上げる。そこには先ほど俺につけてくれたガーターベルト。それと、俺とおんなじ男の象徴がだらだらと先走りをこぼしながら存在していた。
「けつ」
「あ、んんっ」
雇い主の一言で、上半身を前に倒し下半身を俺の方に突き出す姿勢をとるメイドさん。
なんで、ひくひく、してんの。
「わかるか、ここで気持ちよくなれんだよ」
雇い主はここ、といいながらメイドさんの後ろにためらいなく指を突き刺した。
「あ、はぁ、っん」
そのままグチグチと指を出し入れする。
なぜ、俺は目を離せない。
そして指を奥までつきいれた状態でとめた雇い主。
俺から見てるとなにもしてるようには見えないが、メイドさんの様子をみるにそうでもないらしい。
「ひぅっ、あん、ああっ、」
ようやく指を引き抜いたかと思うとその指先には楕円の物体。
え?もってたっけあれ。
それをなんどか繰り返し、3個、メイドさんの胎内から出てきた。
メイドさんは雇い主に体を預け、息を整えている。
「さて、今度はお前の番だ。せいぜい気持ちよくなれ」
それは悪魔の命令だった。
今の今まで存在を忘れていた後ろの男が入り口を丁寧に擦り始めた。
「ぐ、う、………っ」
「や、コウキ様っ」
目の前では雇い主はメイドさんを俺の方に向けて膝に座らせた。
え、てかなに出してんすか。
それ、どうすんの。
「あああっ、ふか、い」
「ぐ、んんんっ」
雇い主のメイドさんへの挿入と合わせ男の太い指が一本なかに入ってきた。
気持ち悪い、はず、なのに。
「んんんっ、んーっ」
か、ゆい。痒い、痒い痒い。
なんだこれ!
「やんっ、あっ、あっ、あっ、」
メイドさんの足を大きく広げ、腰をつかみ無理やり上下させる雇い主。
俺の中の指はいつの間にか2本に増えていた。
なにかを塗り込めるような動きはこの痒さには物足りない。
「ん、んーっ、」
もっとこすって、かいて、なか、かいて。
メイドさんは自分でガンガン腰を振っている。
「コウキ様、なんで、おくっ、たりないっ」
ほんとたりないっ、痒いっ!
「んっ!?」
丁寧な指がへんなとここすった。
なにいまの。
「んっ、んっ、んっ」
一回触れたらこんどはそこしか触れてこない。
首をブンブンと振る。
強烈な快感にチカチカする。
そう、これは快感。
もう俺はその快感を追うために必死だ。指を動かされているのか、自分で腰を振っているのかわからなくなった。
だから、雇い主が男たちになにかを指示していたのなんて全く気づかなかった。
*
「んっ」
ずるりと男の指が抜かれる。
まだ、かゆい、のに。
「とりあえず、今日はここまで」
雇い主の声に目を開ける。
メイドさんは雇い主の膝の上でどろどろになっていた。
ガラガラとなにかをひくおとがした。
それはぴたりと俺の真下に置かれる。
みると、それは長椅子だった。
なんか一ヶ所盛り上がってんだけど。
そこをちょうど俺の奥に触れるようにあてがわれる。
「じゃあ、次は明日な。今日はそこでゆっくり休め。手だけは外してやる」
ちょ、今、てぇ外されたら。
「――――――――っ」
圧倒的質量に支配される。
足首が固定されたままだったのでどうにかすることもできない。
しかもすべりをよくするためにさっきのが塗ってあったみたいでより強い痒みが俺を襲った。
休むことなんてできず、翌日、精液まみれの姿を晒すことになってしまった。