魔王の母は神



『ひっまー。ちょーひまー』


縁側に腰掛け、ブラブラとだらしなく足を外に出しながら暇だ暇だと喚くが、自室には一週間ため続けたせいでとてつもない量になっている書類が散乱している。
しかし、時には仕事から目を背けたくなる事だってある。人間だもの。
あ、こいつ人間じゃねぇや。神だったわ。


『はぁー…今更だけど、一日中書類に目ぇ通すって最早神様の仕事じゃないよね!もう超疲れる!たまには休ましてよね!』

「母さんはいつも休んでいるだろう?」

『あらやだ、おかえり精市』

「ただいま」


もうそんな時間?と時計を見るも時刻はお昼を回ったばかりで、中学生である息子が帰宅するにはまだまだ早すぎる時間だった。
『まさかのサボり?』「体調が優れなくてね」『母さんが治すって言ってるのに』「そうしたら母さんに負担がかかるじゃないか」『母さん神だから大丈夫』普通とは少しかけ離れた親子の会話をしながら、息子に腕を引っ張られて自室へ。無理矢理椅子に座らされれば、嫌でも目に入るのは書類の山。


「俺に連絡があってね。母さんがまた書類溜め込んで困ってるって」

『ヘイ息子よ。お前は母さんの体が壊れてもいいのかい?』

「神様なんだろう?」

『あっはー、母さんに200のダメージきたこれ』

「そんなのいいから早く仕事しろ」

『ごめんなさい』


頑張れ神様!
魔王に勝つ日は来なくとも、皆のために頑張れ!













神様と魔王が家族だったなら世界を巻き込んだ親子喧嘩をしそうという想像からできた小ネタ。

神様(母)と魔王(息子)のほのぼのとした日常話。



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