どうしたら本気にしてもらえるのか。
こんなに口説いて手ごたえがないのがもどかしいく、やたらと欲求不満になる。

歯がゆさに身悶え、まるで掻いても進まぬ海のようだと思った。
穏やかな振りをして、沖へ流そうとする冷たい海流を思い出す。

いいかげん、愛して欲しい。



「今日こそは、はぐらかさないで」

「何が?」

「だから、ちゃんと私が好きなのか、それとも本当は迷惑なのか」

「どうして?」

「どうしてって……不安なんだよ。清香から好きだってちゃんと言われた事ない……」

「そうだった?」

「うん。本当はどう思ってるの」

「あたしの方こそ、義丸がわからない……」

「なんでだよ!」


思わず大きな声が出た。

我慢の限界と言うか、なんて言うか。

マズイとわかりながらも、一度切れた糸はなかなか繋がってくれなくて、そのままの勢いで清香の手を握り、抱き寄せた。


「なんでわかってくれないの?目が見えないと俺の気持ちも見えないのか!?」

「よ、義丸……」

「ちゃんと真面目に好きだって言ってるのに。嫌いなら嫌いでいいからちゃんと答えて」


怖がってるのに畳みかけるように清香を責めた。泣き出して小さく震える彼女の顎を掴んで無理矢理上を向かせると、その唇にキスをした。

しゃくり上げる口に舌をねじ込んで、強引に舌を絡める。

何度か抱いたけど、その時でさえ清香は愛してるとは言ってくれなかったっけ。


虚しくて、最近はまったくしてなかったな。

キスすら久しぶりな事に今さら気がついた。









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