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「今日、泊まっていけますか?」

「あ、はい……」


ダメって言ったって強引に帰さないくせに。

それにあんなキスをしておいて、「じゃあ」なんて帰れる訳がない。


「何か食べてからウチに帰りましょうか」


再び廊下を歩きながらまた生徒たちがおもしろがってひやかした。


「これからデートですか〜?」

「違いま……」

「ずる〜い!先生、今後はあたしとカラオケ行こうよー」

「あたしも先生とカラオケ行きたーい」


はしゃぎながら先生の腕に絡まってくる女の子達。けっこう人気あるんだ……

あたしと付き合ってた頃はそうでもなかったのに。
前の彼女さんの影響、か。

かっこよくなったもん。女子が騒ぐのもわかる。


「はいはい。キミ達が大人になったらね。行きましょうか」


視線をあたしに戻してみんなに「じゃあね」と手を振る先生。
そこから高そうなレストランで食事をしたけれど、よく覚えていない。

なんだか、あたしの知らないところで毎日あんな風にかわいい子に囲まれてるんだと思うと、嫉妬してしまう。

ジリジリと炎とは言えない位の小さな灰の中のうずみ火。

こんな些細な事でヤキモチ焼くようなあたしじゃなかったのにな。











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