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「どうしたの?さっきから上の空ですね」

「あ……すみません……」


先生の部屋でスパークリングワインを飲みながら、ボーっとしてしまっていた。
グラスの中で細かい泡が揺らいで消える様子を見つめて、胸のモヤモヤと重ね合わせていたのかも。


「これ、美味しいですね。覚えておこう」


気まずい雰囲気を誤魔化すように先生がラベルを確認する。本当はそんな事、どうだっていいんだろう。


「あたしと飲んだ事も覚えておいて下さいね」

「もちろんです」


自然に唇を寄せ合って、ベッドへとなだれ込んだ。
耳にも首筋にも情熱的に口付けをしてくれる。唇の熱と荒い息のかかる感覚にゾクッとした。


「魔界之先生……」


名前を呼んだあたしの息遣いも、少し荒くなってる。
先生は本当にあたしを駆り立てるのが上手だ。

先生の体温もキスも吐いた息すら、あたしを興奮させる。


「今から小夜を僕の好きなようにします」


そう口角を上げてあたしの下着以外を脱がせたけれど、目は少しも笑ってはいなかった。










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