04
新一に押し付けたあと、理世は遅めの昼食をとるために喫茶店に入った。そこで思い出したのは、蘭が嬉しそうに話してくれた占いの結果だった。雑誌に載っている占いで、女子高生にとても人気があるものだ。
蘭「私たちのラッキーカラーは赤だって、それでね」
『だから私たちの誕生日プレゼントは赤い物になるわけか』
蘭「やだ!理世わかってたの?」
『蘭ちゃんは毎年それじゃないか』
蘭「そうだったかな〜 それでね、恋愛運は"案外近くにあなたのことを思っている人がいます"だって!これってもしかして松田警部のことじゃない?」
理世は占いを信じているわけではない。占いのほとんどはバーナム効果(多くの人間に的中したと思わせる文章の内容をもつ効果)であり、占いを信じた人間が結果に合致した情報を想起しやすいこと(確証バイアスという)がバーナム効果を引き起こす原因の1つだと思われる。理世は占いを蘭から聞くだけであって、自分で信じたことはなかった。しかもこの占い理世、新一、蘭に当てはまることになる。身近で3人も同じ占いの結果って、ますます信じられないと思った。
赤いハンカチを持ってきているのはたまたまであって、蘭から占いの結果を聞いたからでは無いと誰に聞かれたわけでもないが心の中で言い訳しておく。
コナン「ねぇ、松田警部」
松田「なんだボウズ」
爆弾をすべて取り除き、再度コナンの病室に大人たちが集まった。萩原は「理世ちゃんがいってた忙しくなるってこのことね」と嘆いていた。もちろん松田も招集され、何が悲しくて好きな女とのデート直前まで仕事しなくちゃならないのかわからなかった。
コナン「理世お姉ちゃんから聞いたんだけど、最近の連続放火事件を調べてたってほんと?」
松田「ああ」
萩原「なんだまたこき使われたのか」
松田「おめぇーも使われてんだろ!」
コナン「ははっ(相変わらずだな理世のやつ…)
じゃあ、その放火された建物って」
松田「ああ、全て森谷帝二が設計したものだ」
松田の言葉に、森谷帝二が30代で設計した建物が狙われていると結論づいた。そして森谷帝二に話を聞くため、一行はコナンもつれて森谷邸に赴くことになった。
待ち合わせギリギリに理世は米花シティビルについた。本当はもう少しはやく到着して、買い物でもしたかったのだが同居人がなかなか離してくれなかったためこの時間になった。あたりを見回すが松田は来ていないようだった。
理世の電話が鳴り出した。まさかあの爆弾魔の捜査長引いているのだろうか。理世は持っていたバッグから携帯を取り出し、電話に出る。
松田「〈あっ理世か!?今すぐそこから出ろ!!!〉」
その言葉と同時に爆発音が響いた。