今日は22時からだから、夜に本部に行けば良かった。
Knightsのレッスンに出ようかと瀬名泉と話していたときだった。
遊木「紫苑さ〜ん」
瀬名「あっ、ゆうくん」
遊木「げ、泉さんもいる」
『そりゃ同じクラスだからいるでしょ』
まあお決まりのやり取りだなと笑っている紫苑に真は用事があったようだ。
なにか切羽詰まったような顔をしていたが、どうしたのだろうか。噴水から奏汰くんでも出たのだろうか。
遊木「なんか関西弁のボーダーの人が来たんですけど、紫苑さんに会いたいって」
『関西弁の』
瀬名「ボーダー?」
生駒「お、紫苑ちゃん」
隠岐「すいません、紫苑さん。イコさん行く行くって聞かんくて。」
やはり生駒さんだったかと、紫苑は思い描いていた人物を目の前にして頬が緩む。仁王立ちして校門前で待っている生駒は、とても不審者だった。ボーダーの隊服を来ていなかったら警備員に追い出されているだろう。
瀬名「紫苑、本当に知り合いなの?」か
眉を顰めて、明らかに怪しんでいる瀬名。端正な顔が歪み、不機嫌さが火を見るよりあきらかである。生駒は「ヤバいな、本物の瀬名泉やで」と呑気に隠岐に報告している。
『知らない人とは喋れません。誰だかわかるもの3つは出してください。』
生駒「え」
瀬名「は?」
突然の紫苑の知らない人発言に、隠岐以外の2人は唖然とする。
隠岐「だそうですよ、イコさん。保険証とかあります?」
吹き出しそうになりながら、肩を震わせて笑を堪えながら隠岐は保険証があるか聞いた。
生駒「どないしよ、隠岐」
隠岐「どうしました?」
生駒「財布忘れた」
そうやらトリオン体に換装したまま来たため、財布も鞄も全て忘れたそうだ。さらに「いかにも怪しくない?」と泉が紫苑に囁く。
瀬名「本当に知り合いじゃないの?」
『はは、面白いからこのままで』
隠岐「じゃあ、イコさんだってわかるネタをやれば紫苑さんも認知してくれはりますよ。」
生駒「俺やとわかるネタなぁ…」
瀬名「なんでネタ限定なの…?」
隠岐「では、参ります。生駒達人による三輪秀次の
生駒「損か得かなど関係ない!!近界民は全て的だ!!
ベイルアウトぉぉぉぉおおおおおお」
『あははははっ』
隠岐「え〜、続きまして」
泉「え、全然わからないんだけど、てか続くの!?」
隠岐「生駒達人による弓場拓磨のカレーパンだと思ったただの揚げパンだったときのモノマネです」
『チョイスっっ!!』
生駒「なんや紫苑ちゃんの冗談やったんかぁ。
まじで忘れられたと思って、めちゃくちゃ傷つきながらモノマネしてもうたわぁ」
あれから、怒涛の身内ネタを見せられた瀬名は疲労の色を隠せなかった。紫苑の話に良く出てくるボーダー隊員の名前が、生駒のモノマネに出て来た。迅悠一、嵐山准、二宮匡貴、王子一彰、隠岐孝二etc. 泉にはよくわからなかったが、紫苑には矢張りわかるようで爆笑していた。
『意地悪してごめんね、イコさん。』
生駒「ええんやで、そういうおちゃめなところも推せるポイントや」
『でも、どうしたんですか?』
生駒「え?なにが?」
『今日、夜勤ですよね?』
生駒・隠岐「「え、夜勤!?」」
泉「ボーダーって大丈夫なの?」
この後、めちゃくちゃKnightsのレッスンを見た生駒と隠岐だった。
おまけ
生駒「えらいすいませんなぁ、まさか推しグループのレッスンを見せてもらえるとは…あれ、これ他のファンに殺される?俺、後ろから刺されるんとちゃう???」
隠岐「そうですねぇ、背後に気をつけて帰りましょうね」
レオ「ははははっ、お前らおもしろいなぁ!」