「男子高校生の通常」

『あらふねーーーーーー!!!』

荒船「唐沢が出るたび、俺の名前を叫ぶのはやめろ。」


 ボーダー本部基地にある紫苑の自室でアニメ鑑賞をしていた。【男子高校生の通常】である。紫苑は帽子をかぶった唐沢というキャラクターが登場するたびに『荒船』と叫ぶ。似てるところ帽子かぶってるだけじゃねぇか。

 紫苑の部屋で屯するのが荒船たちの日常だ。暇さえあればランク戦か紫苑の部屋に行っていた。行きすぎて、『普通の高校生って暇なの?』と紫苑に言われた。端正な顔面を掴んで黙らせた。荒船たちが紫苑の部屋でゲームや映画を見ている間、紫苑はだいたい作曲か自主練をしている。もちろんアイドルの方だ。紫苑は天才肌のくせに真面目だから、柔軟やストレッチはもちろん、ユニットで踊るダンスの復習やボイトレは欠かしていない。今回はどうやら仕事がないようで、一緒にアニメ鑑賞をしていた。


荒船「そんなに似てるか?」

『似てるじゃんっっ!!!』

犬飼「似てる」

影浦「似てるな」

穂刈「本人だな、むしろ」


イラッとして紫苑の顔面を掴む。顔が小さいから片手で収まってしまう。ふがふがと言っているが、何を言ってるかわからなかった。俺に力で勝てないのがわかっているからかヘラヘラと笑っている。抵抗はしない。大人の男に強く出られたらビクつかせているくせに。手を離すと、『僕の顔面を掴むの荒船くんとレオくんぐらいだよ』と文句を言ってくる。レオくんって誰だ。あと、嬉しそうにするな。


荒船「あと、ランク戦の実況で俺のこと唐沢っていってるらしいな」


荒船が言ったのは、この前紫苑と二宮隊の辻が解説を担当したときのことだ。 荒船隊、漆間隊、諏訪隊のランク戦だった。



犬飼「あれね〜辻ちゃん困惑してたよ?」

北添「あと唐沢さんね〈なんで俺の名前叫ばれてるの?〉って言ってたよ」


『なんか荒船って叫んでたら、荒船くんのこと唐沢って呼ぶの癖になっちゃってさぁ』

荒船「とりあえずやめてくれ!!!」
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