はじまりの予感 9

男二人の食卓には不似合いな音がする。

「どうしたの。食べないの?」
「…ひ、ひうっっ!」

ダイニングテーブルの下で悪戯にリモコンのスイッチを上下させる度、佐々木さんの巨体が面白いように跳ねた。

「…ふぁ…んっ」

椅子に座った佐々木さんの尻穴に差し込まれたものは、自身の重みでずっぷりと根元まで埋まっている。
俺がスイッチを弄る度にテーブルの下からくぐもった振音が聞こえ、それに合わせて佐々木さんの腰がびくびくと小刻みに跳ねた。

「早く食べなよ。せっかく自分で作ったのに冷めちゃうじゃん」
「はう…っ!」

フリルの前掛けエプロンを押し上げている股間を足を伸ばして蹴り上げると、どうやら佐々木さんはそれだけでイッてしまったようだった。

「あーあ、だらし無いちんぽ。それより、極太の偽物ちんぽを咥え込んでるゆるゆるアナルの方がだらし無いか」

酷い言葉で詰(なじ)れば詰るほど、佐々木さんの表情は恍惚としたものになっていく。

「あれ?こっちはスイッチ入れてないの?」
「あ…」
「勿体ないなあ。こっちも二個とも入れてあげるね」

佐々木さんの尻に仕込まれたピンクローターのスイッチを入れたら、

「あああっ!!」

佐々木さんは野太い雄叫びを上げて、床に崩れ落ちた。

「ちょっとー。落ち着いて食事が出来ないじゃん。ま、いっか。俺の食事が終わるまで、それで遊んでて」

あーあ。
図体はでかいのに、ほんっと可愛いんだから。

「あひっ、あひっ!」

全てのスイッチを強にしてテーブルの上に置くと、俺はいつもよりゆっくり食事を始めた。

どちらかと言うと受けの仕事が多いけど、たまにタチな仕事も入る。
俺にタチをやらせたがるのは美少年(イケメン?)に虐められるのが好きなドMな客が多いようで、ハードSMやスカトロ以外は出来るだけ要望に応えている。

玩具で虐めて放置しておいてもいいから、受けの客の場合は案外楽だ。
つまりは必ずセックスしなくてもいいわけなんだけど、佐々木さんは立ちバックでのガン掘りが大好きな変態さんだ。

となれば泊めてくれることへのお礼も込めて、出来るだけ期待にはお応えしなくちゃね。
ゆっくりゆっくり料理を平らげて、お箸を置く。

「こら、いつまでへたれてるの。やるんでしょ?ベッドに行くよ」

俯せて丸まった佐々木さんのアナルに突き刺さったバイブを足で押し込みながらそう言うと、佐々木さんの身体が期待にぶるりと震えた。


Bkm
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