カミングアウトは突然に 11

翌日。
眩しい光に目を細める。
夜中に降り出した雪は見事に積もり、うっすらとバイト先の駐車場にも雪化粧を施した。

「はぁーっ」

それを軽く日蔭の一箇所に集め、ざっと目につくゴミを拾って行く。
空き缶とペットボトル、煙草の吸い殻が殆どで、かじかむ手に息を吹き掛けながら、初めて任された仕事の店舗周りの清掃に励んだ。

早速、朝から初出勤した僕は店長直々の指導のもと、職務につく。

「岩佐君、お疲れ様。外回りは寒かったろう?悪いけど、引き続き店舗内もお願い出来るかな」

朝一番の仕事は掃除から始まって、外回りから戻ったら、店舗内とトイレの掃除が待っていた。

アルバイトが初めてだから気付かなかったけど、レンタルショップと言っても仕事は接客だけじゃないんだよね。
掃除が終わったら返却されたビデオをDVDやブルーレイに仕分ける作業や、ビデオが正しく陳列されているか店舗を見回る仕事が待っている。

「岩佐君っ、おはよ!今日も可愛いねえ」
「ひゃっ!」

男子用の小便器を掃除していると、出勤してきた筧さんにお尻をぺろんと撫でられる。

「ごめんね。冷え込んで来たからかトイレが近くてさー。ここまだ掃除してない?」
「えっ、あ…そこはまだ」
「じゃあ、使っていいかな」
「ど、どうぞ」
「ありがとう」

セクハラ大王の筧さんは、そう言って僕の隣の小便器の前に立つ。

で、でっか…!

慌てて目を反らして後ろに退いたけど、退く時にまともに見てしまった。
さすが(?)はヤリチンだと言うだけあって、筧さんのはずる剥けで立派な大人ちんぽだった。
個室の中を掃除しながら、筧さんが使い終わるのを待つ。

な、なんかおしっこの音がエッチく聞こえるんですけど!
さすがはエロ大王の筧さん。
修学旅行なんかでクラスメートのも見たけど、やっぱ大人のそれは違う。

や、やっば。
なんか興奮してきちゃったよ。
僕…、スカトロには全く興味がないはずなのに。

思わず脳裏に浮かんだのは、ひざまづいて大きく開けた僕の口に向かって、ジョボジョボと放尿されるシーン。
しかもやけに音声がリアルな。

「ごめんね。一応、綺麗に使ったから」
「はっ、はい」

そんなことを考えながら便器を磨いていたら、背後から筧さんの声がした。
出て行く時に肩をポンと叩かれて、思わずびくっとしちゃったよ。

筧さんはカッコイイ人だから、出来れば仲良くなりたいのに。


Bkm
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