「味覚」


あなたを求めるがままに あなたを愛しすぎた
罠に嵌まったのは・・・私だった?

受動的に溢れだす舌上で 浮かべる病的な笑みの下
鮮やかな飛沫に滲みゆく頬に流れる滴は
私を溺れさせる。

不意に還る記憶は脆く 触れるたびに
私を殺そうとする。

今も笑うは 吐き気を誘う「存在」。

こんなにも傍にいても なお 心は遠いの?
こんなにも愛しても なお 私は・・・

もう元には戻れない それでも なお
あなたが私の中から・・・途切れなくて

目を閉じてもなお、感じられる 誰よりも 近くで そう
白濁してゆく鉢 喉が痺れる 一直線上の球体
今も孤独に怯える 私 どうして?

切なさと悲しみを混ぜた 絶頂スパイスで
帰らない そう 分かっている はず、なのに・・・

降りしきる雨に 濡れる二対
ソレは、何だろう?

ソレは ダ レ だった?

一夜限りの愛憎フルコース
相席「    」はないけれど
埋めきれない空白に 今 何を思えばいい


written by 蛙音

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