「味覚」 あなたを求めるがままに あなたを愛しすぎた 罠に嵌まったのは・・・私だった? 受動的に溢れだす舌上で 浮かべる病的な笑みの下 鮮やかな飛沫に滲みゆく頬に流れる滴は 私を溺れさせる。 不意に還る記憶は脆く 触れるたびに 私を殺そうとする。 今も笑うは 吐き気を誘う「存在」。 こんなにも傍にいても なお 心は遠いの? こんなにも愛しても なお 私は・・・ もう元には戻れない それでも なお あなたが私の中から・・・途切れなくて 目を閉じてもなお、感じられる 誰よりも 近くで そう 白濁してゆく鉢 喉が痺れる 一直線上の球体 今も孤独に怯える 私 どうして? 切なさと悲しみを混ぜた 絶頂スパイスで 帰らない そう 分かっている はず、なのに・・・ 降りしきる雨に 濡れる二対 ソレは、何だろう? ソレは ダ レ だった? 一夜限りの愛憎フルコース 相席「 」はないけれど 埋めきれない空白に 今 何を思えばいい written by 蛙音 (2/126) |