「嗅覚」


脳髄へ作用し、ヒトの事実に虚構をもたらす、

其れのみに頼ることすら出来ない苛烈に鋭く、そして脆い感覚、それが嗅覚さ、

決定された物質すらも、記憶を引き摺り出してまで虚構で捻じ曲げる、

その虚構に甘んじるか、心理を求めて狂うか其れは詰まるところあなた次第、

たとえ全てが揃ったとして、
今生きる世界の真実をたかだか自らの五感のみで正確に捉えられるのか、
其れが君のテーマと言うのならば・・・

しかし、私はそんな不毛を求めるよりも、何かに騙され生きる方がヒトの狭い領分にはお似合いだと思考する、

私は謙虚に生きたいのさ、

しかし、一つ贅沢を言うのなら、私は香りに騙され生きたい、この鋭敏な感覚なら、
私は確実に狂えるはずだから・・・。

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