零
「薔様〜!?いずこ〜!?」
藤夜家…ここは1000年以上も前から存在する家
藤夜薔はその伝統ある家の次期跡取りとなるのだが…
『ふぅ…撒けた』
「おねぇ様?まぁーた抜け出したのですか?」
『うわ!?倭魅!』
藤夜家裏庭の隅に次期跡取りとなる薔は居た
彼女は藤夜家を継ぐ事が嫌で、よくお手伝いの目を盗み脱走を繰り返している
それを手伝っているのが妹の倭魅でいつも薔が脱走したあとのフォローをしている
『んじゃ、倭魅。あと宜しく』
「はいはい。お気をつけて」
『ありがと』
そう言って彼女は裏庭から家を抜け出し裏庭の塀を軽く飛び越え道路に出る
そこからはいつも、歩きながらドコへ行くかを考える
『ドコ行こっかな…』
そう呟きながら角を曲がる
すると…
ドン
という衝撃と共に軽く吹っ飛ばされる
『きゃ…ッ!?』
「わっ…」
ぶつかった相手も吹っ飛んだらしい
「すみません!大丈夫ですか!?」
『はい…あの、あなた様も大丈夫でしょうか?』
「あ、はい」
そのぶつかった相手は黒い髪に言っちゃ悪いけど病的な白い肌。
緑色の服を来た男の人だった
この出会いが私のすべてを変えた
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prfv/
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