醜い破壊神の来訪

八四五年――。あの日ナマエは巨人に初めて遭遇した。
その日は朝から雲一つない晴天でとても穏やかに、そして緩やかに一日が始まった。ナマエの家系は、代々ウォールローゼ一帯を取り仕切るイリス商会の一員だ。父の仕事の関係で、ナマエはウォールマリア領南側突出区・シガンシナ区を訪れていた。
ここはグリシャが住んでいる町だ。ナマエはグリシャに家の場所を聞かなかったことを少しだけ後悔している。
「それじゃ父さんと母さんは町の商会所に行って来るが、ナマエも一緒に行くか?」
「ううん、行かない。行ってもつまらないし……。後で町を散策しようと思ってる」
商会所に行っても面白いことはないからナマエは即答した。内地で仕入れた商品をシガンシナ区で売るための価格会議のようなものに両親は参加する。

一度だけ興味本位で価格会議に付いて行ったことがあったが、会議が終わるまで別室で待機していただけで子供にとっては退屈過ぎる時間だった。
「何だ、ナマエは来ないのか。せっかく珍しい物を仕入れたから見せようと思ったんだがなあ」
「珍しい物って?」
「一緒に来るなら見せてあげるぞ」
「ナマエだってもう小さい子供ではないんだから一人でも大丈夫よね。さ、もう出掛ける時間よ」
得意そうに言う父に、母は少しだけ呆れたような口調だった。相変わらず仲が良い。
「行ってらっしゃい、気を付けてね!」
残念そうな様子の父を母が連れて行くのをナマエは宿の入り口から見送った。
せっかくカラネス区から出たのだ。ナマエはシガンシナ区が初めてだったから、散策を楽しみにしていた。

所狭しと集合住宅などや建造物が建ち並び、石畳みが続く故郷と比べて、ここは小さな民家が多く、道も舗装されていない。空き地も残っている。
視界に入るのは分厚くて巨大な――壁。
あの壁の向こう側の世界に人類は存在しない。ナマエは今、生まれて初めて人類最前線の地に立っていることに不思議な感覚を覚えた。

もしかしたらグリシャに会えるかもしれないと考えたナマエは、宿の女将にグリシャの家の場所を地図に書いて貰いさっそく行ってみることにした。かれこれグリシャは一年近くカラネス区に来ていない。
「えっと……、この道をそのまま進む感じかな」
手書きの地図を確認してみると、今歩いている道を真っ直ぐ進んで右折するよう記されていた。とても見やすい地図なので、さほど迷うこともなく目的地に行けそうだ。

砂利道を進む。空き地では子供達がはしゃぎ回る。道を隔てた向かい側には市場があった。
色取り取りの新鮮な野菜や果物は勿論、酒や煙草の嗜好品から陶器などの雑貨まで売っている。
それぞれの売り子達が、商品を手にとって貰えるよう、買ってくれるよう客を呼び込んでいた。人々の営みの一部が切り取られ、酒屋の周囲を取り囲むようにして駐屯兵達が昼間から酒を愉しんでいる。故郷と同じ光景が目の前にも広がっていた。
騒々と落ち着かない雰囲気の中、人間の活気が漲っている様子にナマエの心は弾んだ。

町中を暫く歩き角を右折すると、階段が見えた。地図を見ると、あの階段を登った先がグリシャの家だ。ナマエは少し緊張した。
本人に前以て手紙を送るべきだったかもしれない。しかしシガンシナ区に来ることが決まったのはつい最近だったから、手紙を書いている時間がなかった。

玄関の扉を数回ノックすると、乾いた木の音がした。中から人の気配がして直ぐに扉が開く。家の中から溌剌とした雰囲気を持つ女性が出て来た。恐らく、イェーガー夫人だろうか。女性はナマエの顔を見て目を丸くする。
「あら、どちら様?」
「あの……私、ナマエと言います。カラネス区でイェーガー先生にお世話になった者です。偶々両親の仕事の関係でシガンシナまで来たので、その……挨拶に来たんですが……」
「そうだったの。あいにく主人は入れ違いで先程街に診療に行ってしまったの。せっかく来てくれたのにごめんなさいね。お昼頃戻って来る予定だけど、中で待ってる?」

夫人は残念そうに眉根を寄せた。目鼻立ちがしっかりした活発そうな女性だ。
「そうですか……。そしたら、先生に私が来たことだけ伝えておいてください」
連絡もせずに訪ねて来て、自宅で待たせて貰うなんて失礼な気がした。ぺこりと礼儀正しくお辞儀をしたナマエは、夫人に見送られてその場を後にすることにした。

「やっぱり会えなかったかあ」
解っていたけれど、少しだけ残念な気持ちになる。
大通りに出ると、カンカンと鐘の音が響いた矢先、周囲が騒付いた。街角から薪を背負った子供二人が走りながら飛び出て来る。ナマエと同い年くらいの子供だった。
「調査兵団が帰って来たんだ!行こう、ミカサ!英雄の凱旋だ!」
「調査兵団……!」
一度見てみたいと思っていた憧れの兵団。
新聞の活字でしか存在しない彼らを目の前で見ることが出来る。ナマエも周囲の人々と共に正門へと駆け出した。

正門に辿り着くと調査兵団の姿を見ようと既に多くの人々が集まっており、賑わっていた。我が子が生きている姿を確認したい家族もいるだろうし、ただ単に野次馬根性で集まった人間もいる。多くの人集りを掻い潜ったナマエは一番前に乗り出す。
ガラガラと正門がゆっくりと上がり、外の世界と壁の世界の境界線が交わって曖昧になる。
一際大きな騒めきの後、ナマエの目に飛び込んで来た光景は想像していたものよりもずっと陰惨であった。

調査兵士達の疲れ果てた顔。どこを見ているのか解らない程の空虚な瞳は、ぼんやりと前だけを見ていた。
腕が欠損した者や、頭に包帯を巻いた者。包帯には赤黒い血液が滲んでいる。自由の翼が折れてしまった兵士達がナマエの前を通り過ぎて行く。周囲の大人はその様子を見て、忌々しそうに溜息混じりに口にする。
「あんなに息巻いて出て行ったと思ったらこの様かよ」
「今回も酷いな……。百人以上で調査に向かった筈なのに……二十人もいないぞ。皆喰われちまったのか?」
「兵士を悪戯に死にに行かせて何か得たものはあったのか?」
「こいつらのシケた顔を見る限り、オレ達の税金をドブに捨てたことは確かだぜ……」
先頭で歩いている兵士――調査兵団団長の前に、一人の初老の女性がふらりと覚束ない足取りで飛び出した。
「あの、息子が……ブラウンが見当たらないんですが、息子はどこにいるんでしょうか?」
一人の兵士が布で包まれた物を持って来て女性に渡した。母親、だろうか。

彼女は何を渡されたのか解らない表情をしてから、我に返った様子で急いで包みを開けて中身・・を確認した。
「それしか取り返せませんでした……」
調査兵団団長の弱り切った声はあまりにも痛々しくナマエの耳に入る。女性は包みを抱き締めて、腹の奥底から声を絞り出して慟哭した。
「息子は役に立ったのですよね……?何か直接の手柄を立てた訳ではなくても!息子の死は……、人類の反撃の糧になったのですよね!?」
目の前で繰り広げられる不幸なやり取りに、周囲は静まり返っていた。誰も言葉一つ発することが出来ず、ただ目の前で泣き崩れる哀れな一人の母親に視線を送るだけだ。
「勿論――!イヤ……今回の調査で……我々は、今回も……!!何の成果も!得られませんでした!私が無能なばかりに、ただ悪戯に兵士を死なせ……!」
女性にとっては、最低最悪の言葉だった。
息子の死を現実だと受け入れるには余りにも惨い結果。巨人の謎に一歩でも近付けたのなら、命を張った甲斐があったのに。

結局、人類は彼らに敵わない。それをまざまざと公衆の面前で突き付けられる。新聞各社が調査兵団をこき下ろすのも無理ないかもしれない。
「ヤツらの正体を……突き止めることが出来ませんでした!!」
目の前で涙ながらに話す男こそが、昨今の新聞記事で調査兵団が非難される原因を作っているキース・シャーディス団長である。ナマエは実物を初めて目にした。

巨人へ突っ込むことしか能のない猪突猛進型で、無駄に兵を死なすことで狭い壁の世界の口減らしに一役買っていると――いつかの新聞で読んだことがある。団長交代も囁かれており、死亡者数の少ないエルヴィン・スミス分隊長が次期団長の有力候補らしい。
満身創痍で生きて帰って来た兵士達が大通りを過ぎ去り、あんなに集まっていた野次馬達もいつの間にかそれぞれの仕事へ――日常へと戻って行った。




ナマエは少し見晴らしの良い場所で足を休めることにした。慣れない砂利道に少しだけ足が疲れてしまったようだ。手頃な空き地を見付けて、芝生の上に寝転ぶ。心地良い風が吹き、木々の葉が擦れる音が鼓膜を振動させた。
目の前には迫ってきそうな程威圧感のある壁がぐるりとこの町を囲っている。壁に切り取られた空はからりと晴れていた。

先程目にした、一人の哀れな母親が絶望的な声音で咽び泣く姿は、ナマエにとても大きなショックを与えた。
きっと、調査兵の息子が無事に帰って来ることをいつも祈っていたのだろう。壁外調査が行われる度に何度も何度も無事を祈り、帰還する度に我が子の姿を探し回って――見付けて一安心する。そんなことを繰り返して来たに違いない。

調査兵になることは、遺される者を作ることである。遺される者とは家族や、友人、同じ兵団の仲間も例外ではない。何年か前に、グリシャに巨人はもしかしたら人間に戻るために人を喰うのではないかと話したことがあるが、そうだとしたら――。
「なんて……残酷な世界なんだろう」
ぽつりと独り言を零した。命が無慈悲に奪われるからこそ、生命が輝く瞬間が際立つ。
今日が終わっても、明日も明後日も――何一つ変わらない日常がやって来る。そう信じて疑わない人々の喧騒も、生活音も全てまとめて凝縮されたものがナマエの耳に届く。

風が止んだ。
爽やかな空気が壁の中に滞留して澱む。劈く雷鳴のような音と共に稲妻が空をジグザグに切り裂いて、けたたましい音を発しながら壁の外へ落ちた。
大砲のような音が響き、建物が揺れ動くような大きな地震を思わせる地鳴りが周囲を襲う。思わずナマエも飛び起きた。
「何?一体何なの?」
突然の落雷に何が起きたのか解らないまま、惚けた表情で目の前の壁に釘付けになる人々の姿がそこかしこにあった。

町全体に事態の異常を知らせる警鐘がカンカンと煩いくらいに鳴り響く。
不安を煽るような不愉快な音は、ナマエの脳内にも響いた。何だか厭な予感がする。この場から逃げた方が良いかもしれない。けれど足に根が張ったようで、その場から動けることが出来ずに周囲の人々と同じように壁の方角へ釘付けだった。
どれくらい惚けていたのだろう。時間の感覚が解らなかった。
日常はすぐに異常事態へと変貌する。

「巨人だ……」
ナマエの口から事実だけが零れ落ちた。雷が落ちた壁の外から煙を昇らせながら。五十メートルもあろうかと思われる壁をゆうに超えたそれは――ゆらりと、その醜い顔を見せた。
「そ、そんな……あの壁は五十メートルの高さもあるんだぞ……!」
「一体どうなってやがる!?」
筋肉の赤い筋が剥き出したままのそれは、ゆっくりと壁に手をつく。丈夫な壁の表面がバラバラと削れた。
「――逃げろ!!」
誰かが泣き叫んだ。途端に周囲は叫び、逃げ惑い、シガンシナ区は大混乱に陥った。落雷と共に現れた五十メートル以上ある巨人は、壁の中にいる人間達を眺めているのか、微動だにしない。
そして刹那――。

突如いきなり現れた破壊神によって、壁は蹴破られのだ。
壁の破片が周囲に飛び散り、襲い掛かる。ナマエは漸く我に返った。逃げなければ。このままでは壁に空いた穴から外にいる巨人が侵入して来るのも時間の問題である。
「あっちには商会所があった筈……。父さんと母さんが……!」
ナマエは父と母を探しに、逃げる人々とは逆走して町中の商会所へと駆け出した。飛び散った壁の破片は無惨にも逃げ惑う人々を叩き潰し、こぢんまりとした町並みを破壊する。

五十メートル以上ある巨人の襲来によって、シガンシナ区は恐怖と混乱が綯い交ぜになり、パニック状態へと陥った。泣き喚き、我先へと逃げる人々がごった返す中、瞬く間に蹴破られた壁から巨人が侵入して来る。逃げ遅れた者や巨人に捕まった者は、断末魔の叫びをあげて無慈悲にも彼らの腹の中へ次々と収まっていく。
人々の恐怖の叫び声や骨を砕く音が耳にこびり付く。
「嘘だ……、嘘だ!こんなの嘘に決まってる!」
大混乱に陥り、殆ど絶叫に近い叫び声がこだまする街から逃げて来る人々にナマエは押し倒され、思うように前に進めない。膝や肘を擦り剥いたがそんなこと構わず前に向かって駆ける。やっとの思いで商会所に辿り着いて目を疑った。

「父さん、母さ――」

商会所は屋根が吹き飛ばされ、原型を留めていなかった。周囲は破壊され血生臭い空気が漂う。先程まで息を吸って生きていた人間の一部がそこかしこに転がっている光景に、ナマエは胃液が逆流しそうになった。恐怖で両膝がガクガクと笑う。
この辺りまで巨人が侵入しているのだろうか。
辺りを見渡しても父と母の姿はどこにも見当たらなかった。
「父さん、母さん!嫌だ、そんな――」
頭に最悪のケースが浮かんだが、かぶりを振って不吉な想像を打ち消した。ナマエは瓦礫を転がし、木屑をどかして両親の姿探し回るが、一向に見付からない。
「どこにいるの、ねぇ……返事をして!私だよ!ナマエだよ!」
もしかしたら、ここから逃げて自分を迎えに宿に向かったのかもしれない。
そう思った時――。
「……あ」
感情が読めない巨人の瞳がナマエを上から捉えていた。

野卑た笑みをした巨人に掴まれる寸でのところでナマエは身体を翻して逃げ出した。駆け出したは良いものの、思いっ切り町中を駆け抜ける体力は既になかった。身体からは息が上がり、足が縺れる。
後ろから迫って来る巨人が手を振りかざしてこちらを捕らえようとする。
ナマエは、巨人の手を避けることだけで精一杯だった。とうとう足が縺れて転んでしまい、巨人が今だとばかりに飛び出した瞬間、身体が宙に浮き、巨人の無骨な手は空をかいた。

「何やっている!喰われたいのか!」
腕の部分に薔薇のエンブレムを掲げた駐屯兵の男が、危機一髪のところで助けてくれたのだと理解するまで一呼吸分掛かった。ナマエは男の肩に担がれ、徐々に遠くなる巨人を見つめるしか出来なかった。
「このまま船着場まで行く!大人しくしてろよ」
男は立体起動装置を巧みに操作しながら、町中を飛んだ。正に辺りは一面地獄のような光景だった。





「お嬢ちゃん、この船で内地に逃げるんだ。良いな?」
船着場に着くと、そこは町から命辛々逃げて来た多くの人々で埋め尽くされており、人々は泣き喚き、絶望を顔に貼り付けている。船はもう定員オーバーでも無理矢理乗り込もうとする人が後を絶たない。
「お父さんとお母さんはどこにいるんだ?」
「探していたんだけど、どこにもいないの……」
ナマエの言葉に駐屯兵が息を呑んだ。今もあの地獄で娘を探しているのかもしれない。もしかしたら、もう既に――。
「どこ行っちゃったんだろう?おじさん知ってる?もしかしたら、私を探してまだ町にいるのかもしれない……!父さんと母さんが巨人に喰べられちゃってたら、どうしよう……!」

涙が溢れて視界が滲む。目の前にいる男がどんな表情をして自分を見ているのか解らなかった。嗚咽が混じり、それ以上上手く話せなかった。
「――オレがお嬢ちゃんのお父さんとお母さんを探して来る!特徴を教えてくれないか」
その言葉にナマエは男の顔を見つめた。その表情は、真剣味を帯びた一人の兵士の顔だった。
「きっと見付けて来るから、そこで待っているんだぞ。絶対にそこから動いちゃ駄目だからな!」
「……おじさん、待って!待ってよ……!」
男は何度も念を押しすと、立体機動のガスを蒸せて再び巨人が蔓延る町へと戻って行った。ナマエの言葉は男の耳に届かず、喧騒に呑み込まれた。
「行かないで……一人にしないで……」

太陽が傾き、血のような不気味な色をたたえた頃。
船着場で先程の駐屯兵の帰りを待っているが、一向に姿を見せず。ナマエは今にも不安で押し潰されそうだった。再び厭な予感が胸を押し潰して来る。ウォールマリアへと避難民を運ぶ船を、何隻見送ったか解らない。それでも船着場には多くの人間が犇めき合っていた。
「女、子供優先だ!他にいないか!?もうこの船が最終便だぞ!」
船の案内をしている駐屯兵の言葉に周囲はどよめき、男女構わず船に飛び乗ろうと無茶をする者まで続出する。

船着場は混乱を極めた。
「こんな所にまだ子供がいたか!早く乗りなさい!」
「待ってよ、まだ父さんと母さんが――駐屯兵のおじさんも町にいるのに……痛い!」
船着場の隅っこで棒のように立ち竦んでいたナマエは、一人の駐屯兵に無理矢理腕を引かれ定員オーバーの船に押し込められる。
「このままじゃ船が沈む!早く出発しろ!」
ギシギシとベルトが巻き取られ船はゆっくりと動き出し、シガンシナ区を離脱して目的地ウォールマリアへと出発した。船に乗り込めなかった人々の絶望した顔を、ナマエはぼんやりと見ていることしか出来なかった。
彼らには死ぬ道しか残されていないのだろうか。

押し込められた船の中は、啜り泣きが満ちている。
「何が――巨人が“可哀想”だ……。あんなヤツらが人間だった訳ないじゃないか」
ナマエは歯軋りした。巨人にとって人間なんて取るに足らない存在だと身を以て思い知った。無力だったから、何も出来なかったのだ。止まった筈の涙がまた瞳から溢れる。自分に力があったなら。ナマエは己の無力さに苛立つ。
「……あそこにいるアレは何だ?」
「新種の巨人か!?」
誰かが騒いだ。悔しさを滲ませたまま顔を上げると、鎧に身を包んだ巨人が恐ろしい速さで内門に向かって駆ける姿があった。
「……まさか!」
そしてそのまま体当たりして突っ込み、呆気なくシガンシナ区とウォールマリアを結ぶ内門が突破された。

その様子を船の上から多くの人々が目撃し、悲痛な悲鳴を上げた。このままでは、人類は滅亡してしまう。やむなく船は行き先をウォールローゼ南側突出区・トロスト区へと変更を余儀なくされた。
この日、人類は三分の一の領土であるウォールマリア領全てを放棄、人類の活動領域はウォールローゼ領まで後退することとなった。


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