一周年企画 | ナノ


鳥のさえずりが襖越しに聞こえる。部屋の中にも灯篭とはまた違った明りが帯び始めた。

もうすぐ夜が明けるな…。
そう思い仕上げとして筆に墨を含ませると、手早に文字を綴った。







―以上。
 
  七人隊 作戦参謀 煉骨


 




「…これでよし」


中々の出来に自然と笑みが零れる。


「この策があればきっと…、きっと…」


切実に願いを込めながら策と呼ばれたその紙を懐に入れる。そして覚悟を決めると勢いよく立ち上がった。


「奴など恐るるに足らず!」


策士、策に溺る。



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