一緒に頑張りましょう




「…?」

付きまとうカラフルな彼らを振り切って来た町外れ。ふらふらと歩いていると瓦礫の中で立ち竦む1人の青年を見つけた。

「(どうしたんでしょうか?)」

背は緑間君くらいであろうか、髪色は赤司君と同じで、雰囲気が青峰君になんとなく似ている。何故だか放っておけなくて気が付けば声を掛けていた。

「あの、」

「あ?…ってうわ!お前いつから居た!?」

「ついさっきです。」

「な、何なんだよ…」

「それよりもこんな所に立ち竦んで、どうかしましたか?」

「べ、別に…つかあんまり俺に近付くな。」

「どうしてですか?」

「お前には関係ねえ。いいから離れろ。」

「確かに関係無いかもしれません。でも近付いてはいけない理由を言ってくれないと離れる気が起きないです。」

「はあ!?」

「何か事情があるんですか?」

「だからお前には関係無いって言ってんだろ!俺のことなんて放っとけよ!」

「埒が明きませんね。仕方ないですが…」

「んなっ!?」

青年の手を握ると頭の中に映像が流れ込んできた。児童保護施設という名の実験場、燃え盛るその実験場、行く宛も無くさ迷う街、食べ物を野犬と取り合う日々、度々暴走するアルカナ能力、辿り着いた空き家、手に負えないアルカナ能力で崩壊したその空き家…

「…そういうことでしたか。」

「は?」

「すみません。キミの心を読ませてもらいました。」

「はあっ!?」

「行く宛が無いみたいでしたら僕の所に来ませんか?」

「なっ!み、見ず知らずのヤツの所になんか行けるかよ!」

「僕は黒子テツヤです。はい、これで見ず知らずではなくなったので大丈夫です。」

「全然大丈夫じゃねえ!それに俺の心読んだんなら俺のアルカナ能力は危ねえって分かるだろ!」

「はい。」

「分かってんなら俺に近付く「じゃあアルカナ能力を使いこなせるようにしましょう。」

「は…?」

「僕もまだ完全に使いこなせないんです。だから一緒に頑張りましょう。」



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「お前、俺に殺されるかもしれないんだぞ…?」

「大丈夫ですよ、鍛えてますから。見て下さい、この力瘤。」

「全然ねえんだけど…」

「それに個性は豊か過ぎますが、頼りになるファミリーもいますし。」

「…」

「名前、教えてくれませんか?」

「…火神大我だ。」

「よろしくお願いしますね、火神君。」










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