お腹いっぱいなんです




「はい、あ〜ん。」

「結構です。」

目の前に差し出された銀色のスプーンに乗るのはラザニアなわけで。お腹が空いていたならば熱さに構うこと無く迷わずパクついたであろう。お腹が空いていたならば。

「いらないの〜?美味しいのに。」

「お腹いっぱいなんです。」

「もう?少食過ぎるよ黒ちん。そんなんだからちっちゃいんだよ〜?」

「僕はあくまで平均です。キミが大き過ぎるんですよ。」

「そうかな〜?」

「そうです。」

「黒ちんのそれ美味しそう。」

「ティラミスですよ。食べますか?」

「うん、一口ちょ〜だい。」

「はい、どうぞ。」

「あ〜んしてよ。」

「嫌です。」

「してよ。」

「無理です。」

「して。」

「…あーん。」

「ん。うま〜。」

「良かったですね。」

「うん。」

「"棍棒"の仕事はいいんですか?」

「今日はもう終わったよ〜。だからもう1件行こっか。」

「え、僕もう食べれませ「いいからいいから。レッツゴ〜。」



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「黒ちん、食べさせてあげる。あ〜ん。」

「僕はいいです。」

「え〜?遠慮しなくていいのに。」

「遠慮してるわけではないです。それにしても紫原君はよく食べますね。」

「そう?黒ちんと食べるご飯は格別美味しいからね〜。」

「…そうですか。」










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