妥協してあげたのは僕の方なんですが




「黒子っち〜!…ってアレ?」

「おはようございます、黄瀬君。」

「えぇー、また俺の方が遅かったんスか?かなり頑張ったんスけど…」

「今日も僕の勝ちですね。」

「黒子っち起きるの早くない?」

「普通ですよ。」

「う〜ん、いつになったら黒子っちの寝顔見れるんスかね。」

「…それが狙いでしたか。」

「だって久しく拝んでないんスよ!?小さい頃は惜しげもなく見せてくれたのに…」

「それはキミが僕のお世話係だったからですよ。不本意です。」

「黒子っち冷たい…」

シュンとして落ち込む姿はまさに犬のようで。でも次の瞬間には垂れた耳は立ち上がっていた。

「じゃあじゃあ!せっかく今日は黒子っちの着替え前に来れたから、俺にコーディネートさせて!」

「え、嫌ですよ。」

「何で!?」

「黄瀬君の選ぶ服、全部レディースものじゃないですか。」

「だって黒子っちに似合うんだもん!」

「似合いません。」

「うぅ〜、小さい時は着てくれたじゃないっスか…」

「だから不本意です。」

「せめてスカートだけでも!」

「穿きません。いつもの取って下さい。」

「イヤっス!今回は譲れない!」

「今回もでしょう。百歩譲って今の格好に妥協したんですよ?皆さんスラックスなのに僕だけ半ズボンタイプって…凄く浮くんですが。」

「そんなことないっスよ!やっぱり黒子っちは半ズボンじゃなきゃ!白い脚が見放だ…じゃなくて、動き易いでしょ?」

「…本音はそれですか。」

「ちちち違うっス!いや違くないけど!でも泣く泣くスカート諦めたんだよ!?俺も妥協したんスー!」

「キミは妥協する立場じゃないんですが。まあ、でも動き易いのは確かですし、定着していますしね。…と、いうことで、」

「黒子っち…?」

「あ、もしもし赤司君ですか?僕これから着替えるので、黄瀬君を部屋からつまみ出してもらってもいいですか?」

「赤司っちだけはやめてえぇぇ!!!!!」



---------------------------
「あと5秒で来るそうです。」

「えぇ!嘘っ!?赤司っちの部屋ってめちゃくちゃ離れてるじゃないっスか!」

「赤司君ですから。」

ガチャ

「涼太、覚悟はいいね?」

「いやあぁぁぁぁ!!!!!」










人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -