言い出しっぺはキミでしょう




「ねぇ、テツヤ。」

「何ですか?赤司君。」

「ちょっとしたゲームをしないかい?」

「ゲーム、ですか。」

「そう。今から僕が言うことにテツヤは全部『いいえ』で答えるんだ。簡単だろ?」

「はあ…」

「じゃあいくよ?テツヤ、お前は背が高い。」

「いいえ。」

「力が強い。」

「いいえ。」

「体力がある。」

「いいえ。」

「存在感がある。」

「…いいえ。」

人が気にしていることをズバズバとぶつけてくる赤司君に、自然と眉間に皺が寄る。…嫌味でしょうか。

「犬が好き。」

「いいえ。」

「読書が好き。」

「いいえ。」

「僕のことが好き。」

「いいえ。」

「ちょっと待って。」

「何ですか。」

「そこは『はい』で答える所だ。」

「キミが全部『いいえ』で答えろって言い出したんじゃないですか。」

「空気を読め。」

「理不尽です。」

「仕方ない。もう一度聞く。テツヤ、お前は僕のことが好き。」

「…」

「お前は僕を愛し「はいはいはいはい。」

「そうか。テツヤはそんなにも僕のことを想ってくれているんだな。」

「(…しまった。)」



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「じゃあ次は全部『はい』で答えるゲームをやろう。」

「…」

「返事は?」

「…はい。」










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