望まれてみた「知りたいんだろ?空ちゃんの秘密。」 ドキリとした。危うく湯のみを落としかけたけど、なんとか持ちこたえて彼に向き直る。 「知りたいです。」 「ほお…」 「空と会って、まだ日は浅いです。いつも他人優先で、何でもこなすけど凄く無茶するし、だけど表情には出さないことは知ってます。でもそれだけなんです。それしか俺達は知らない。」 裏生徒会長の特権だろうか、空は俺達のことをよく知ってる。でも俺達は空の一部分しか知らない。 「放っとけないんスよねー、危なっかしくて。」 「空ちゃんはサイズに似合わず大胆だからのぉ。」 「自分のことは何にも教えてくれないしね。まったく、フェアじゃないよ。」 「ククッ、そうかそうか。愛しの孫が迷惑かけてるな。」 お前ら大変だな、と言う声は本当に大変だとは思っていないようで。苦笑はやがて真剣な表情に変わった。 「教えてやるよ、空ちゃんのこと。」 * * * 「あれ?幸村君居なくね?」 「聞いてないのか?虹未来の実家に行ったって真田が言ってたぜ。」 「はあ!?聞いてねーよ!つか赤也と仁王も居ねーじゃん!」 「一緒に行ったって柳生が…」 「俺も連れてけよ!」 --------------------------- 「俺だって空のことすっげえ心配してんのに…」 「皆心配してる気持ちは同じだって。でも大人数で突然お邪魔したら迷惑だろ?」 「空ー!早く一緒にケーキバイキング行こうぜ一!」 「…相変わらずだな、丸井。」 |