追い掛けられてみた「校長から貰った紙、何て書いてあるんスか?」 「えっと…大御神神社だって。」 「おおみかみ?」 「パワースポットで有名な神社ぜよ。」 「仁王先輩!?」 「一体いつから…」 「最初からじゃ。話は聞かせてもらったぜよ。大御神神社まで案内しちゃる。」 「仁王…」 「俺も連れて行きんしゃい、幸村。」 * * * 「…ま、こんなもんか。」 膝の上で寝息を立てている愛しの孫。そっと髪を梳くと身じろぎした。 「邪気も完全に無くなったな。これで傷も治るだろ。」 我が孫は自分の限界というものに疎い。体力が無いにも関わらず頑張り過ぎる。愚息に似たな。 『ん、にゃ…』 「ろくに睡眠もとらなかったんだな。…命に関わるっつーのに。」 その時、空気がゆらりと波立った。 「客人か。」 まったく、愛しの孫は人気者で困る。 --------------------------- 《神殿守(かむとのもり)の気を感じる…》 《神殿守が帰って来たぞ…》 「あーあ、神々もざわめいてる。…ホント空ちゃんってば人気者なんだから。」 |