ONE PIECE [LONG] | ナノ



おれに抱えられたままスースー寝息を立てるベレッタは普段とは全く違う生き物みたい。
これなら餌付けとか出来そうな気もするけど...化粧しちゃった日にはきっと餌付けされたことも忘れて仕事しちゃうんだろう。ダラケきった正義の下に付くには真面目すぎる子、真っ直ぐな子みたいだから多分、おれみたいなのにイライラしながら頑張っちゃうんだろう。

でも、顔色一つ変えない。声を荒立てることも少ない。
何をどう考えてるのかも無表情すぎて分からなくって...合わない向けられない視線の先にある書類に嫉妬したりもした。だから溜めるだけ溜めて切羽詰まってこっちを見ればいい、くらい考えた。まァ...そんなこと馬鹿みたいで言えないけども。

「ほんと...とんだ小悪魔ちゃんだね」

色んな顔を見たけど、どれ一つ取っても嫌いになる顔はない...不思議なコ。
どれが本当でどれが本物でどれが真の君なんだろう。でも...全部君であるなら何だっていい。なんて、馬鹿げてるって思われるかな。

「.........送り狼にもなれないなんて、臆病になっちまったなァ」

抱えた彼女を起こさぬようゆっくりソファーに座ってそのまま横になった。
小さなソファーだからおれの足なんかはみ出しちゃって、それでも寝やすい体勢を探してゴソゴソ動く。その間、彼女は寝息を立てておれの体の上、シーツに縋りつくかのようにおれの服を掴んだまま猫のように小さく丸まってる。何か掛けてやれるものはないかと目をやったのはおれが脱ぎっぱなしにして適当に置いたコート。それに手を伸ばせば何とか届いたから布団代わりに掛けた。

「あ...アイマスク、は、」

机の上に置きっぱなしだ。
眠れる自信が一気に無くなったけど...この可愛らしい寝顔を見ながら起きとくのも悪くはない。そんなことを考えながら彼女が落ちないよう、丸まった体を抱き締めた。

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