【1F フロント】「001号室ですね」
ウィーンカタカタ、という音をさせて袖口からスッと一枚のカードキーを出した彼女。
アンドロイドならではですね。自分の中でカードキーを生成出来るらしい。
「突き当たって右側のエレベータよりB1、左奥のお部屋となっております」
「地下?」
「はい。何か御座いましたら1階フロントまでお願いします」
「.........了解しました」
「尚、お部屋の変更は何があってもご遠慮頂いておりますのでご了承下さい」
ええー何ソレ怖い。
パートナーだって説明を受けてないっていうのにチェンジ利かないとかタチの悪いキャ●クラか!
でも一応仕事だし、プレオープンイベントだし...頑張るしかないのね。うん。
「道中、足元にお気を付け下さい」
.........道中って、此処ホテルでしょ。
無機物かつ感情のないアンドロイドに見送られ(?)ながら進む。
見つけたエレベーターは普通の物だけど...開いた瞬間、顔を背けて項垂れた。
全面鏡仕様とベッタリ付けられた血糊手形...もうぶっちゃけ帰りたい。
――進まないと、大変なコトが起きちゃうよ?
開いたままのエレベーターから聞こえた子供の音声に、私は慌ててフロントを後にした。
001号室へ向かう 【B1 001号室】歩く度にミシミシ、ミシミシ...
酷く音を立てる地下の廊下を歩いて辿り着いた先は001号室。
道中、警戒に警戒を重ねてキョロキョロしまくったけど...不可解なものは無かった。
強いて言うなら窓とか鏡とかが多すぎる。あと暗すぎるっていうのが怖かっただけで。
ついでに言えば、BGMもまたホラー系演出でゾクゾクします。
今にも某曜日のキャラとか某ゲームの鋏男とかが出て来そう...
「大体、何で私が...」
「ぶつぶつ言っても始まらねえぞ」
「!!!」
主催者(の一人)!?
そこにはスーツ姿ではない私服の跡部氏が普通にドアを開けて立っていた。
「あ、あの、志月ゆいと...」
「分かってる。向こうの人間だな。パートナーの跡部だ」
「.........存じております」
「このイベントで改善余地の有無を確認する。しっかり怖がれ」
.........もはや跡部様がご降臨なされた時点で怖すぎます。
とは言えず、とりあえず自分の名前を名乗って頭を下げた。
そして、促されるがままに001号室へと足を向けて......
続ける リタイア 【001号室 景吾】部屋の中は明るくはないものの、西洋のお部屋ってカンジだった。
家具なんかは結構凝ってるし、さっきのホテルらしいドアからは想像出来ないほどだ。
「部屋の造りはどうだ?」
「え、えっと...とても凝ってらっしゃると思います。ただ、ドアが、」
「ああ。それは俺も思った。改善する」
流石です。普通に素晴らしい決断力です。どきっぱり改善すると言いましたよ。
若くして社長クラスに登り詰めるだけあるなーと感心する。ただ性格は壊滅的と聞いてるけど。
「オイ」
「あ、はい」
「そこのドレッサーの確認と窓の確認をしてくれ」
「は、はい?」
「いいからやれ」
.........命令か。少なくとも私たち、初対面ですけど。
とはいえ、私はレッド・フォース社のしがない平社員で彼は跡部グループの御曹司。
立場が全く違う人間だ。NO!と言えば仕事上支障が出てしまう。
と、いうより私一人の所為で会社同士がぶつかることになっても困る。
平社員は辛いよ、とちょっと落ち込みながらも私は彼に従うことにした。
ドレッサーを確認する 窓を確認する 【001号室 ドレッサー】ダブルベッドの向かいに設置されてる猫脚ドレッサー。
突き付けられた現実を噛み締めながらその方へと向かう。
わざわざ私に確認させるところと鏡が扉で隠されているところを見ると...
仕掛けがあるんだろうと思う。絶対そうに決まってる。むしろ驚け!ってやつ。
おそるおそる鏡の扉を開けてみたけど......何だ。普通だフツー......
「ヒッ!」
一瞬の出来事だったと思う。
見つめた鏡の向こうに飾られた女性の肖像画が、動いた、気がする。
いや、目の錯覚かもしれない...そう思ったけど、やっぱり時々瞬きしてる!!
怖い怖い怖い。けど、どうやら動作はそれだけらしい。しばらくすると慣れて来た。
.........問題なし、ということにしておこう。
窓を確認する 【001号室 窓】鏡の扉を閉じて、跡部氏の目の前を通りつつも窓側へと移動する。
特にその間に跡部氏から何か言葉が発せられることはない。おそらく観察しているのだろう。
私は指示されて動いているに過ぎないけど、此処を利用する人だって似た動きをすると思う。
それを考慮して...更なるホラーポイントを追及していくのだろう。
そんなことを考えながら、素敵なカーテンレースをゆっくりと開いてみる。
とりあえず...見える風景は、墓地、ですね。勿論、偽物の洋風墓地。それだけで不気味。
うん、特に仕掛けは無いみたいだけどゾクッとするだけの出来です。気持ち悪い。
窓の外なんか見るんじゃなかった、と後悔するくらいに気持ち悪いです。凝り過ぎです。
もうこれ以上、凝らなくていい。それだけ跡部氏に伝えて帰りたいと思った。
跡部に報告する 【001号室 窓】跡部氏の目の前を通りつつも窓側へと移動する。
特にその間に跡部氏から何か言葉が発せられることはない。おそらく観察しているのだろう。
私は指示されて動いているに過ぎないけど、此処を利用する人だって似た動きをすると思う。
それを考慮して...更なるホラーポイントを追及していくのだろう。
そんなことを考えながら、素敵なカーテンレースをゆっくりと開いてみる。
とりあえず...見える風景は、墓地、ですね。勿論、偽物の洋風墓地。それだけで不気味。
うん、特に仕掛けは無いみたいだけどゾクッとするだけの出来です。気持ち悪い。
窓の外なんか見るんじゃなかった、と後悔するくらいに気持ち悪いです。凝り過ぎです。
もうこれ以上、凝らなくていい。普通にそう思った。
ドレッサーを確認する 【001号室 ドレッサー】今度はダブルベッドの向かいに設置されてる猫脚ドレッサー。
突き付けられた現実を噛み締めながらその方へと向かう。
わざわざ私に確認させるところと鏡が扉で隠されているところを見ると...
仕掛けがあるんだろうと思う。絶対そうに決まってる。むしろ驚け!ってやつ。
おそるおそる鏡の扉を開けてみたけど......何だ。普通だフツー......
「ヒッ!」
一瞬の出来事だったと思う。
見つめた鏡の向こうに飾られた女性の肖像画が、動いた、気がする。
いや、目の錯覚かもしれない...そう思ったけど、やっぱり時々瞬きしてる!!
怖い怖い怖い。けど、どうやら動作はそれだけらしい。しばらくすると慣れて来た。
.........問題なし、ということにしておこう。
跡部に報告する
ここはリンク調整のために改行処理しています。
同一ページを移動するようリンクを組み込んでおり、その事に気付かれないように努力しているだけで意味はありません。