■ 仙道





「やっほ、なまえちゃん」
『...なまえさんでしょ』
「いいじゃん相変わらず堅いなぁ」

ツンツンって肩をつついてみたらギロッと睨まれたけど全然怖くない。むしろ綺麗な顔がこっちに向いて嬉しさすら感じた。あぁ今日も可愛いなぁ...

『毎日暇なの?ちゃんと練習に参加して』
「してるよ俺キャプテンだから」
『嘘だよ魚住がいつも嘆いてるよ』

仙道がまた遅刻してきたとかなんとか...って言われてなんだよ教室で俺の話してくれてるなんてありがたいじゃん魚住さんってニヤニヤしてたらゴツッと腹にパンチがきた。うーん、まぁ痛くはないけど...力弱いなぁ可愛い。

「イタタ...ひどいなぁ」
『ニヤニヤしてないでしっかりしなさい』

今度はビシッと肩を叩かれてついついまたニヤケてしまいそうになる。なまえさんの手が俺に触れるたびに体熱くなる。いやぁたまらん。本気で愛おしいなぁ...

なまえさんがマネージャーとして部にいた頃はそれでも選手とマネージャーだからって遠慮気味に話しかけてたけど魚住さんと池上さんと共に引退した以上はもう全てから解放されたわけで。ただの先輩ってだけだからそれはもうアタックし放題なわけだ。最高。

「あぁでもこの間も告白されてたね?」
『...また盗み見してるの悪趣味』

しかし問題はなまえさんが美人故に最大級にモテるということだ。ま、別に俺にとっちゃそんなの関係ないけど知らぬ間に他の奴にとられた!となれば俺だって黙っちゃいない。さっさと俺のものになってくれたら...

「ごめん...3文字で返してたなクールビューティー」
『やめて』
「俺の時はもっと多かったよ」
『変なとこで張り合わないで意味は同じでしょ』

確か仙道くんは今そんなことよりバスケに集中しなさいって言われたからほら、文字数的にも俺の方が上だろ、ハハハ。

『ほらほらもうすぐ練習でしょ行きなよ』
「えーなまえちゃんもおいでよそしたら頑張るから」
『いなくても頑張らないとダメだよキャプテン』

トンッと背中を叩かれたけどそんなの全然やる気につながらない。実際なまえさんが見ていないコートでやるバスケは想像以上に寂しいものだった。俺どんだけ彼女の為だと思って頑張ってたんだろう...なんか虚しくて笑えてくる。

「勝ったらなまえちゃんが喜ぶかなと思ってやってたんだよ」
『今だって勝ったら嬉しいよ』
「見ててくれないとダメさ」

俺の言葉にため息をついた後仕方ないなぁって身支度を始めたもんだから心の中でガッツポーズした。うっしゃぁ!これで今日は帰りも送っていけるだろうし...よし、さっさと終わらせてしまおう。

「やったねこれで頑張れる」
『...仙道くん、冬の選抜勝ってね』
「え?あぁ、うん最大限努力するよ」
『魚住の夢を叶えてあげて欲しいの』

仙道くんが全国でプレーする姿を見たいってひたすらそう願ってるから

ふぅんと頷けば私も昔からそう思ってるって言われて思わずなまえさんを見たら前を向いたまま綺麗に微笑んでいる。うわ...マジで綺麗だな...

「まいったな、冬はさらに厳しいのに」
『お願い、在学してる間に全国に連れてって』
「...そんなお願いされたら叶えるしかないな」

パチッと両手を合わせて上目になりながら頼まれたからとりあえず本能的に了承しておいた。いや、これ反則だろうよ...

『へへ、楽しみにしてるよ』
「もし夢叶えたら俺の夢も叶えてくれるよね」
『まぁ私にやれる範囲でなら...!』

オーケー言ったからね?そういうことならお安い御用、さてさて練習だ。さぁいこーか!







任せておいて、バスケは得意なんだ

(ちなみに何なの?仙道くんの夢)
(なまえちゃんを嫁にもらう)
(...エッ?!)



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