11 意地とプライドのガチンコ勝負
【第3話】
下品なことばかり言っているDJ(プラグ・マン)の解説のもと、戦が始まった
よく知らないが大人気らしいバンドもベヒーモスの応援としてライブをしており、ベヒーモスというチームの人気の高さが垣間見える
言うならばここは小鳥丸にとって完全な敵地(アウェー)
この戦場全体――いやネット中継されていることを考えればもしかしたら世界中が小鳥丸の敵かもしれないのだ
それでも朱音は何もしてあげることができない
"金色"だったら宇童アキラ相手でも競り勝てる自信はある
しかしこれは小鳥丸の戦いなのであって、"金色"は関係ないし、むしろ手を出してはいけないのだ
朱音はチラリとリンゴの横に置かれてるバックを見る
おそらくあの中にはクロワッサン仮面になるために必要な水着などが入っているのだろう
――リンゴは、分かってるのかしらね?
ふとモニターから視線を外し、何気なく通路側を見て―――思わず、固まる
幻覚かと思い目をこするが、それが消えるわけもなく…むしろ近づいてきている
こちらに向かって歩いてくる彼女の、あの特徴的な長いピンク色の髪は間違えようがない
"渡り鳥"の、シムカだ
幸い向こうはこちらには気づいていないようだ
シムカの手には、リンゴのスク水セットが入ったカバンと全く同じカバンが握られてる
一体何をするのかと思えば――こっそり近づいてきて、リンゴと自分のを、入れ替えた
その鮮やかな手口に、朱音はバレないよう細心の注意を払いながらも彼女を見つめる
一体何をするつもりなのだろうか…
ただ持っていくのではなく、入れ替えたというのが気になる
一体シムカが持ってきたカバンの中には何が入っているのだろうか…?
あのイタズラ好きなシムカのことだ、とんでもないモノが入っていることは間違いないだろう
【なんだこりゃあああ〜!】
最初に注目されたのは、ブッチャと"ヘカトンケイル"五所瓦風明のいるハコだった
。
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