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「――と、とうとう始まるね…」
ベヒーモス、メイン戦場"アンダーコロッセオ"
今まさに、パーツ・ウォウDクラス"キューブ"が始まろうとしていた
朱音はリンゴらと共に観覧席から小鳥丸のメンバーを見ていた
周囲を埋め尽くす人の数は500人は超えているだろう
こんな大きな戦は初めてのカズやオニギリ、ブッチャは流れる独特の雰囲気にのまれかけていた
ある意味当然なことで仕方がないのだが……あんなに緊張してしまったら、"キューブ"はできない
"ハンマー"坂東ミツルがスッと手をあげると、ショベルカーから沢山のヘルメットやA.Tが落とされた
それらはみな、ベヒーモスがパーツ・ウォウで勝利し勝ち取ったもの
「…チッ」
咢は苛立ちも露に舌打ちをこぼす
これであの3人は完全にビビってしまってもう使い物にならない
見事な演出だと罵倒した、その時
「コガラスマルゥウウウゥウ!!」イッキのバカみたいに大きな声が響く
それによって皆いいカンジに緊張がほぐれたようだ
『…頑張ってね、みんな……』
この先で待っているのは、過酷な戦
何しろ経験も実力もかなりの差があるチームが相手なのだから
それでも…と朱音は祈るように手を握る
この戦で、何か得られるように…勝てる、ように……
『咢……アキ…』
2人とも、頑張って……
かつて共にいた友(精一杯のエールを君に)
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