Fly! | ナノ




10





「――と、とうとう始まるね…」


ベヒーモス、メイン戦場"アンダーコロッセオ"

今まさに、パーツ・ウォウDクラス"キューブ"が始まろうとしていた

朱音はリンゴらと共に観覧席から小鳥丸のメンバーを見ていた

周囲を埋め尽くす人の数は500人は超えているだろう

こんな大きな戦は初めてのカズやオニギリ、ブッチャは流れる独特の雰囲気にのまれかけていた

ある意味当然なことで仕方がないのだが……あんなに緊張してしまったら、"キューブ"はできない

"ハンマー"坂東ミツルがスッと手をあげると、ショベルカーから沢山のヘルメットやA.Tが落とされた

それらはみな、ベヒーモスがパーツ・ウォウで勝利し勝ち取ったもの


「…チッ」


咢は苛立ちも露に舌打ちをこぼす

これであの3人は完全にビビってしまってもう使い物にならない

見事な演出だと罵倒した、その時


「コガラスマルゥウウウゥウ!!」


イッキのバカみたいに大きな声が響く

それによって皆いいカンジに緊張がほぐれたようだ


『…頑張ってね、みんな……』


この先で待っているのは、過酷な戦

何しろ経験も実力もかなりの差があるチームが相手なのだから

それでも…と朱音は祈るように手を握る

この戦で、何か得られるように…勝てる、ように……


『咢……アキ…』


2人とも、頑張って……




かつて共にいた友
(精一杯のエールを君に)

[ 70/386 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -