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02





『ん――…?』


目を開いてます最初に目に入ってきたのは…綺麗な星空

織姫に呼び出されたのはまだ昼過ぎだったから…かなりの時間気を失っていたらしい

まぁココは人目につきにくい場所だから…気づかれないこともあるだろう


『いっ…!』


体の節々がズキズキと悲鳴をあげている

屋上…5Fから落ちて生きてるだけマシ…というより奇跡に近い

クッションになってくれた土と草のおかげに他ならないだろう


『かえ、らなきゃ…』


あの家に

ヨロヨロと立ち上がり、制服についた土を叩き落とす

あの家には完璧な状態で、何もなかったかのように振舞わなければ――…


『…――あ…!!』


そこであることに気づいてサーっと青ざめる


『うそ……っ!』


ゴソゴソとポケットの中をさぐり――携帯を取り出す


パカ、と開いて…青い顔が白くなる


『着信り、れき…150、新着メール…83……っ!』


たった数時間のあいだに溜まった尋常ではない数の不在着信にその数字を見たまま固まってしまう


ブーブーブー


『…っ!』


画面に着信中という文字が表示される

早くでろとばかりに主張を続ける携帯をジッと見続けることしかできない


ブーブーブー


『…………』


ブーブーブー


恐る恐る、ゆっくりと震える手で通話ボタンに指をのばす


――押される前にきれてくれることを切に願いながら


ブーブーブ


――だが、その願いは叶えられなかった


息を吸って、携帯を耳にあてる




『――もしも、し…………お母さん』




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