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03



『うっ…気持ち悪……』


テスト1日目の結果を一言でいえば"最悪"だった

初日のテスト科目が全て終了し、解散となった後亜希は保健室に向かってヨロヨロと歩いていた

熱があがったのか頭はボーッとして上手く回ってくれず、覚えているはずの単語さえも中々出てきてくれず、何度泣きそうになったことか…

お父さんに怒られることはもう決定したも同然だった

ヨロヨロと壁に手をつきながら何とか保健室の前まで辿りつく


『コホッコホ…っ』


気持ち悪いし頭痛いし喉も痛いし何より体がすごく重い

怖くて体温計で熱を測ることができない


『しつれい、します…』


ガラガラ、とドアを開けて声をかけたが返事は返ってこない

先生は席をはずしているのか……

諦めようかとも思ったがもう体が限界で、そのままフラフラと白いベットの中へと倒れ込んだ

少し、少しだけ……ここで寝かせてくれるだけでいい

荒い呼吸を繰り返しながら、それでもやっと少しだけ安堵できてそのまま眠ろうと瞼を閉じた時――突然、保健室の扉が開けられた


「失礼しまーす!」


『…っ』


「ってあれ?先生いないんですかー?」


その声には非常に聞き覚えがあった


「そっか、誰もいないんか……じゃあ、」


少し前はよく聞いていて……今ではその声を聞くだけで恐怖を感じてしまう…その声の持ち主は、独り言を呟いた後――仕切りカーテンを勢いよく開けた

唯一姿を隠してくれていたそれがなくなり、亜希の姿は彼女の前にただ晒される


「少し、お喋りしよ?亜希ちゃん」


『…、りひめ……』


いつも見せている、あの邪気なんて欠片も見当たらないといった笑顔を見せてやってきたのは、あの織姫だった

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