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02





朝いつも通り目が覚めたとき、おかしいとは思ったんだ

身体がだるくて……指1本だって動かしたくないと思えるぐらいの倦怠感に違和感を感じつつも、気のせいだと思って亜希は無理やり体を起こした


『…っ』


ふらつく体にようやくそこで自分の体調がよくないことに気づいたが、今日は休むわけにはいかないからそれらを無視して起き上った









――今思えば、この時ちゃんと休んで寝てればよかったんだ…









トン、トン


「あら、おはよう亜希」


『おはよう、お母さん…』


下に降りると弁当を作っていた母親がニコニコと今日も笑っていた

父は朝早く出ていくから朝はいつも母親と2人きりだ


「今日は実力テストでしょう?準備はできてるの?」


『うん…大丈夫だから』


そう、今日はテストなのだ。多少調子が悪い程度で休めるわけがない

例え高熱が出たとしても、這ってでも学校に行かなければならないのだ、私は

特急で発注し、やっと手元に来た新しい眼鏡をかけると途端に残念そうな顔をされる


「ねぇ…もうずっとコンタクトにしない?」


『いや、やっぱ眼鏡のほうが楽だからさ」


眼鏡が到着するまでの約1週間はまさに地獄だった

目は見えないから仕方なくコンタクトははめることにしたが、頑として化粧等は拒否する自分とコテを持って迫りくる母親。
毎日毎日必死で拒否して何とか何もされずに1週間過ごすことができたのはたぶん奇跡だ

家ではコンタクトをつけ、家から出るとこっそり買っておいたダテ眼鏡をかけて学校に行くという日々は本当に大変だった


「そう?亜希がそう言うなら諦めるけど…残念だわ」


『はは…っコホコホッ』


「あらやだ、風邪?」


『う、うぅん…ちょっとむせただけ…』


慌てて誤魔化すように笑うとそれで母は納得してくれたようで何も追及はされない

体調管理も勉強のうちだと常に言っている父に告げ口されたら困るからだ

それにあの人は、体調が悪くてもテストの点数が低いのは許さない


『行ってきます…』


小さく咳をしながら、亜希は学校まで単語帳を見ながら歩いて行った

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