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07





嫌われるようなこと…した覚えなんてない

それに気になる点が一つ


『"あの人"…って誰?』


織姫があの日言った言葉




「亜希ちゃんがいる限りあの人は私を見てくれないから」




まったく誰のことか分からないが…"あの人"のことを織姫は好き…なんだろう

でも"あの人"が好きなのは、私……?

え、こんな私のこと好きな人がいるということ?


『いやいやいやいや…』


そこまで考えて首をふる

自分で言ってムナしいが、これまで異性にモテた経験なんてない

ヤボったい髪の毛に、目が隠れる程の長さのこの前髪もそれを助長しているだろう

そして決定的なのが、この性格

自分でも嫌気がさすぐらいに人見知りが激しいし、恥ずかしがりやのせいで人と上手く話すこともできないこの性格に何度悩まされたことか

…もう半分諦めているが

こんなおもしろくも何ともない女(…自分で言って悲しくなってきた)を好きになる物好きな人がいるのだろうか?

だからたぶん、織姫の勘違いだと思うのだが…あの様子じゃ聞き入れてくれることはないだろう

だいたい"あの人"が分からないのだから説得は無理だ


『―――憂鬱だなぁ…』


明日からのことを考えると本当にテンションが下がる

どんな言いがかりをつけられるのだろうか…

家も地獄で学校もおそらく地獄

双子の姉もいないこの世界で、生きていくことができるのだろうか?


『会いたいなぁ…お姉ちゃん…』


生きてはいる

双子独特の感覚で何となく分かるから

それだけが今の自分の支えとなっている

今どこで何をやっているのかなんて想像すらつかないが、いつか必ず見つけ出すと心に決めている

両親なんかに断ち切れる程2人を繋ぐ絆は弱くないと信じているから…


『私…頑張るね、お姉ちゃん』


がんばれ、と言われたような気がした




終わりをげた日常
(明日からは非日常)

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