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04





「亜希っ!!」


ドアを開けた瞬間#私は抱きしめられてた


「こんなに遅くなって…!心配したじゃないのっ」


ギュッ…と抱きしめられている間もずっと"笑顔"のままで立ちつくす

この人は世間一般ではたぶんキレイなハハオヤに分類されるのだろう

高校生の娘を持つというのに40代前半という若さに加え、顔立ちも立ち振る舞いもキレイでいつも実年齢より5歳は若く見られる


『――ごめんね、お母さん』


"笑顔"で母親に話しかける


『次からは気をつけるから』


「もう…本当にしっかりしなさいよ?あなたは私たちの大切な一人娘なのだから!」


『………うん。そうだね。あ、私着替えてくるね!』


最後まで"笑顔"を保ったまま母親に背を向けて2階の自分の部屋へと向かう


トン トン トン


あと少し、というところで……私は立ち止まらなければならなかった


「亜希」


ビクッ


『……何ですか?お父さん…』


ビッチリとワックスで固められた髪にブランド物のスーツを身にまとい、自分を冷たい目で見てくるその人は、一流企業で部長をやっている自分の父親だ


「こんな時間まで何やっているんだ。お前にそんな暇あったのか?」


『…っ』


冷たい声で言われては俯いてじっと耐えるしかない


「あんなレベルの低い高校でトップすらとれないというのに油をうってる暇なんてあるわけないだろう」


『はい……ごめんなさい…お父さん…』


「あなた、そんなに冷たく言わなくてもいいじゃないの?亜希もがんばってるもの、ね?」


「その過程なんて結果に結びつかなければ意味ないものだ。それはおまえだって分かっているのだろう?」


「それはそうね…」


『…………』


「お前は私たちの一人娘なのだ。私の娘として恥ずかしくないようにしろ」


『はい……じゃ、着替えてくる…』


――バタン


自分の部屋にはいり、ドアを閉めたら力が抜けてズルズルとその場に座り込む



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