07
『……ほ、保留!ルフィのクルー全員から賛成の意が示されるまで取りあえずこの件は保留!!』
ここで言い負かすことは不可能だと悟ったアリスは結論を先延ばしにすることにする
「えー!?」
『何と言われてもここで頷くことはしません!ほら、何かこの人たちに用があったんじゃなかったの!?』
無理やり話題をそらすためにアイスバーグと名乗ったオカマな男を指さす
この人たちと話していたところに割って入ったのだから、絶対に何かあったはず
本来の目的を思い出したのか、ナミがそういえば…と声をあげる
「そうよ、あなたがアイスバーグさんなのよね!これを……」
ナミが取り出したのは1枚の紙切れだ
それを広げ、アイスバーグは声に出して読む
「ココロバーさんか。"ふねみてやんなよ"」
『船?』
読み終わったそれを勢いよく破ったアイスバーグにルフィたちは慌てる
「ねぇお願い、船直して!お金なら払えるのよ!?」
「もう航海でボロボロなんだ、メリー号は!頼むおっさん!!」
「いいよ」
「軽っ!!いいのかよっ!」
どうやら"ココロバーさん"という人とは飲み仲間らしく、手紙につけられていたキスマークがただ不快だっただけらしい
どうやらルフィたちは船の修理(もしくは改築)にこのウォーターセブン(W7)に来たようだ
「ンマ―!とはいえすでにカクが船を査定に行ってんだ。話は進んでいる…どうせ今日は退屈な日だ。工場を案内しようか」
……とても先ほどギッシリつまっていた予定を全てキャンセルした男の言葉とは思えない
成り行きでアリスもその造船工場見学に連れ出されることになり、渋々皆と一緒に足を進める
『……ねぇルフィ、もう私たちの"外見"はほぼ並んだんだから"姉ちゃん"って呼ばれるのはちょっと違和感あるんだよね…』
「あ、そうだよな!じゃあこれからアリスって呼ぶことにする!!」
「っていうかあなた何でルフィに"姉ちゃん"って呼ばれてるのよ?見た目そんなに変わらない感じなのに」
『あぁ、それは……』
ナミの質問に答えようとしたが、ウソップが持っていた2つのトランクケースが誰かに奪われそうになっているのを見て途切れてしまった
.
[ 8/145 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]