06
『あなたが…ヤソップには色々お世話になってます』
「お、親父を知ってんのか!?」
『一緒の船に乗ってたもの。よくヤソップから息子の話を聞かされたわ』
酒が入るといっつも息子と嫁の溺愛っぷりを聞かされていたものだ
「なぁ姉ちゃん、俺との約束だっただろ!?俺が有名になったら一緒に海賊やってくれるって!!」
「ていうかそれは無理よ。この人あの赤髪の所のクルーなんでしょ?アンタが連れ去れるわけないじゃない」
『あ、私はシャンクスの船には"居候"してただけよ?船を降りた時も好きにやれって言われたし…』
だから物理的にルフィの所のクルーになることは可能なのだ
可能だが……
『……さっきのカリファさんの言葉聞いたでしょう?私の首には2億以上の大金かけられてるの。こんな高額な賞金首がルフィの所に転がりこんだら…ますます海軍の圧力が酷くなっちゃうじゃない』
ただでさえ私は"追われる者"だ。1ヶ所に留まるのはあまり得策ではないことぐらいよく分かっている
「そ、そうだぞルフィ。この人の言う通り無理だって」
「諦めなさいって!」
「嫌だ!!絶対に俺は姉ちゃんを仲間にするんだ!!ほら、俺の仲間に紹介するから来いって!!」
『いや、だから無理だって……』
「シャンクスに出来たんだったら俺にだってできるはず!それとも姉ちゃんは昔の約束を破るのか!?」
『う……』
約束したのは事実だ
昔、フーシャ村に立ち寄った時海に出たいと我がままを言うルフィを落ちつかせるために言ったのは覚えている
シャンクスが片腕をあげることができる人物に、少しだけ可能性をかけてみたい……そう思って確かに言った
今となっては少し後悔してしまうが
助けを求めるようにナミを見るが、諦めるようにため息をつかれた
「無理よ。ここまで言ってるんだったらうちのキャプテンは絶対に諦めたりしないわよ。諦めたほうが早いわ」
『で、でも…』
「大丈夫、何とかなるわよ。うちのクルーは皆ズレてるし」
一番反対してくれそうなナミに諦めるように言われ、ますます追い詰められたのが分かり小さく唸る
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