04
『あぁ、よかった!私のことちゃんと覚えてくれてたのね?お姉ちゃん嬉しいわっ』
10年前と同じように頭を撫でられるも…あの頃と違うのは、彼女を見上げるのではなく見下ろす身長差だけだ
「えーっとルフィ?その女性とは知り合いなのかしら?」
完全に蚊帳の外にされていたナミが恐る恐ると言った様子で話しかけてきた
その表情は完全に強張っている
「おう!昔フーシャ村でシャンクスと一緒にいたアリス姉ちゃんだ!」
『はじめまして、皆様。アリスと申します。ルフィとは少し昔に会ってた友達です』
淡く笑みを浮かべ、礼儀正しく挨拶をしたアリスを、ナミは穴が開くんじゃないかというぐらい凝視する
「アリス…さん?まさかとは思うけど…"あの"アリス、じゃないですよねー…?」
念のため、といった様子で口に出した名前に脇で見ていたオカマ口調の男たちも反応を見せる
「"アリス"だと?あの"紅の魔女"か?」
「"魔女"…あの、あのアリスですの!?」
その凄い反応にルフィは首を傾げる
「そのゴチャゴチャしたのは知らねェけど、アリス姉ちゃんはアリス姉ちゃんだぞ」
『…ごめんなさい、怖がらせるつもりは特になかったの。少し顔を見れればそれでよかったんです』
周りの反応に少し悲しげに顔を俯かせ、アリスは弁明する
やはり、容易に顔を見せるべきじゃなかったようだ
『シャンクスにルフィが手配書に載ってるって聞いて…少しだけ、顔を見にきただけなの。…元気そうでよかったわ、ルフィ。それじゃあ……』
そのまま皆の前から立ち去ろうとしたアリスの手を、ルフィが掴んだ
『…ルフィ?』
手を離して、と柔らかく言ってみるもルフィが力を緩める気配はない
周囲の人は顔を青くしたり、この世の終わりかのような顔でこちらを見ている
「やだ。俺、姉ちゃんのこと絶対仲間にするって心に決めてたんだ。せっかく会えたんだ、絶対アリス姉ちゃんを仲間にする!!」
その仲間宣言にアリスを含め周りの人は驚きを露わにする
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