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「で?いくらかかりそうそうだ?いくらでも出せるぞ!!金いっぱい持ってんだ!!」
「できればよ!もっと頑丈で大砲も増やしてスピードも早くして…あと素敵な装飾なんて外板につけたりできる?部屋の中も改装できるの?」
興奮している2人とは対象的に、カクは至極冷静に査定の結果を告げる
「まァ待て。手っ取り早く言うと…お前達の船は戦いのキズが深すぎる。ずいぶん豪快な旅をして来たんじゃろう」
「そりゃもー山登ったり空飛んだり串刺しになったり、色々あったからなーちゃんと直してやりてェんだ!!」
「もしかしてだいぶ時間がかかる?」
だが2人に告げた言葉は、彼らが望むものではなかった
「…いや、はっきり言うがお前達の船はわしらの腕でも、もう直せん…!」
想像だにしていなかった言葉にナミとルフィは言葉を失う
それもそうだろう。ついこの間まで普通に航海してきた"相棒"とも言える船がもう直せない、そう言われてそうなのかと納得できるわけがない
「――例えば無理に修理したとして…次の島まで持つ確率は、ゼロじゃ」
「……!!そんな!でも今日まで普通に航海してきたのに!!」
ナミが信じられないとばかりに叫ぶ
ゼロだと言いきられるということは…もう相当手遅れな状態なのだろう
『……』
言葉を失っている2人にかける言葉が見当たらずアリスはただ気遣うように見るしかない
「………"竜骨"でもやられてたか」
「あぁ。酷く損傷しておる」
パウリーの言葉に頷くカク
"竜骨"、と言うと……確か船の骨格にあたる部分だったはず
『……、』
何やら怪しくなっていきそうな雲行きに、アリスは小さくため息をついた
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