悲しき詩 | ナノ




17



「…何それ。キミに面白いことがあるって言われたから来たんだけど」


不機嫌そうなオーラを漂わせる雲雀にひぃっと小さく悲鳴を漏らすツナ


「あ、あのー…その会議?に僕がいてはまずいのでは…」


困ったように笑うアレンは見知らぬ人間に囲まれて肩身が狭そうだ


「お前は……、」


ほぼほぼ初対面なことをすっかり忘れていたツナは慌てて紹介する


「えっと、大空戦で見たことはあると思うけど改めて…この人はアレン・ウォーカーさん。愛結ちゃんと同じエクソシストで、今は俺らに協力してくれてる人なんだ!」

「初めまして、アレンと呼んで下さい」


にこりと人好きのする笑顔で挨拶をするアレンに、ひとまず警戒は解かれる


「む?なんだその"えくそしすと"というのは!」


何も知らない了平や黒曜組は頭にハテナマークを浮かべている


「とても簡単に言えばアクマと呼ばれる化物と戦う人たちのことをエクソシストと呼ぶんですよ」


……かなり省略したな、と事情が分かる者は皆思った


「すっげー!かっこいーぴょん!!ね、柿ピー!」


そんな簡単すぎる言葉に目を輝かせる彼らはきっと…そう、心が純粋なのだろう、うん

少し気が抜けたツナだったが、気を取り直してアレンに皆を簡単に紹介していく


「えーっと…、ヤマモトタケシ、ゴクデラ…えっと…、」


人数が多い分いきなり覚えるのは大変だが、接していくうちに覚えていけるだろう

ははは、とにこやかに談笑していた空気を斬り裂いたのは、苛立った声だった


「ねぇ。いつまでこんな茶番をする気?いい加減用件を言いなよ赤ん坊」


先程よりも顔が怖い雲雀にツナは顔を引きつらせる


「そう睨むな雲雀。今回の議題はお前も無関係じゃねー」


リボーンの声色が変わり、ここから本題だと空気で察する


「今回の議題は他でもない、愛結について、だ」

「……へぇ」


「僕が簡単にですが事情を説明していきます」


そう言い、アレンは一連の流れをゆっくりと語り始めた




[ 186/461 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -