悲しき詩 | ナノ




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「そういえば…アレンさんって何歳なんですか?」

「15歳ぐらいだと思います。子供の頃捨てられてとある人に拾ってもらったので、正確な年齢は分からないんです」

「あ…す、すみません、」


何となくで聞いたことが思った以上に重たいものでツナは申し訳ない気持ちで謝罪の言葉を口にする

気にしないでください、そう笑うアレンはとてもじゃないが自分とほぼ同じ年だなんて信じられない


「そういうツナはおいくつなのですか?」


暗い話は終わりだとばかりに話題を変え、ツナとアレンはお互いのことを語り合う

ツナは自分がイタリアンマフィアのボスにさせられそうになっていること、大事な仲間のこと

アレンはマナと暮らしていた時のこと、自分の師匠のこと、教団の生活や任務――全く違う境遇の者同士の会話は尽きることがなかった

アレンさん、という呼びかけもアレンでいいと言われ、余所余所しさも徐々に消えていく(アレンの丁寧口調は素らしい)


「あーあ、また修行漬けの日々が始まるのかぁ」

「強くなるためには仕方がないですよね。僕もなまった身体を元の状態に戻さなければ…」

「そりゃぁそうだけど…リボーンの修行、キッツイんだよなぁ…」


愛結を助けるためにはノアの彼らとの戦いに勝たなければいけないということで、修行は必至……分かってはいるが、キツイものはキツイ

死にそうな顔で項垂れているツナを見て、耐え切れずアレンは小さく吹き出した


「フフッ、本当マフィアのボスにはとても見えませんね」

「…そこ、笑うところ?だいたい俺は10代目になるって決めたわけじゃないって!」


複雑な心境でじとりとアレンを見れば、笑いながらすみませんと謝られる


「と、取りあえず僕は動けるようになったら仲間たちと連絡取らなきゃですね」

「連絡?電話なら家のを使えば…」

「いえ、僕たちはゴーレムを介して通信するので…電話での連絡は不可能なんです」


どうやらこちらでいう携帯電話みたいなもの、らしい

寄生型とはいえ傷は深く、すぐ動いたりするのはまだ危険で、もう数日はベットで過ごすこととなるだろう


「じゃあ俺も部屋に戻るから、ゆっくりしてね」


これ以上の長居は申し訳ないと、筋肉痛で痛む体でゆっくりと立ち上がる


「えぇ、ありがとうございます。お大事に」

「それ、こっちの台詞だよ…」


そんな言葉を交わしながら部屋を後にし、自分の部屋に戻りそのままベットに飛び込む

もう殆ど治ったつもりではいたがまだ本調子ではないようで、少しだけ…と自分に言い訳しながらツナはそのまま目を閉じた




僅かな休息期間
(傷ついた体を、癒すこと)


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